瘋癲爺 拙痴无の戯言・放言・歯軋り
覆面算と呼ばれるパズルがある。計算式の全部または一部の数字を文字か記号に置き換えたもので、それをもとの数字に戻すパズルである。
AB×AB=CBD のようなものはその一例である。
この正体は 28×28=784 であるが、これでは味も素っ気もない。そこで、問題を作るときに工夫すると面白い意味のある言葉を作ることが出来る。これが、ワード覆面算といわれるものであり、さきの問題でAを「ピ」、Bを「ヨ」、Cを「ヒ」、Dを「コ」におきかえると、 ピヨ×ピヨ=ヒヨコ になる。
覆面算の名付け親は、海野十三のペンネームで探偵小説や科学小説を書いた佐野昌一である。彼の言によると、数字が文字の覆面をしているのを、推理の力でエイ! ヤッ! と引っぱがすというのである。覆面算のルールとしては、
①1つの文字には1つの数字を当てる
②同一の文字には同一の数字を、異なる文字には異なる数字を当てる
③最高位の文字には0を当てない
があり、ここまでは異論がないが、1桁の場合にその文字に0を当てていいかどうかについては、研究者の間でも意見が分かれている。
※海野 十三(うんのじゅうざまたはうんの じゅうぞう、1897~1949年:日本の小説家、SF作家、推理作家、漫画家、科学解説家。日本SFの始祖の一人と呼ばれる。本名は佐野昌一(さの しょういち)。
覆面算は文字を用いるので、少し工夫をすると意味を持った問題を作ることができる。そのやり方には2通りある。1つは暗号覆面算、もう一つはワード覆面算である。
西欧では Alphametic(アルファメティック)と呼ばれるが、これはalphabet(アルファベット)と算術という意味のarithmetic(アリスメティック)の2語の合成語である。
最初の暗号覆面算であるが、これは覆面算を解いて1を表す文字から順に並べると、言葉が現れるものである。次の作品はその古典的作品で、1919年に出されたというD・E・スミスという人の「昔の数の物語」の中にあるという。
右の暗号覆面算の2題はなんの変哲もないようであるが、解いてみると
1234567890
INOCULATES
となって、INOCULATES(接種する)という言葉が現れる。
これに対して、ワード覆面算は問題自体が言葉からできているもので、注目されるようになったのは1960年代になってからの事であるという。近年の数学遊戯の本には多くの新作が出ているというが、歴史は古く、昔の傑作として、左図のような1924年に発表された古典的で、最も著名な作品がある。この作品は今から100年近くも前の1924年に The Strand Magazine(ストランド・マガジン)誌に発表されたもので、「もっと金送れ」という文句が足し算になっているものなのである。これを例に覆面算の解き方を考えてみよう。
まず和の最高位を見れば、Mが1であることはすぐわかるだろう。2つの数の和が20を越すことは、下からの繰り上がりがあったとしても、あり得ないからである。このMが1であるためには、S+M(=1)が9以上でなければならないので、Sは8か9。したがって、和のMOは10か11であるが、すでにMは1であることが確定しているので、Oは0に決定する。まあ、このように解いていくが、時には試行錯誤で解かねばならないこともある。
覆面算のいろいろな問題(式1~式13)を掲げておくので、試しに各自でいろいろ工夫しながら解いてみて欲しい。解答はいずれもただ1つ。式1~式3は海外の問題、その他は日本人の作ったものだという。
英語、ローマ字、漢文とまさに多彩。問題の一部が空白(□で示す)になっているものは、そこにどんな数字が入ってもよく、重複してもかまわないことになっている。式4と式7はローマ字読みで、式8の?は計算には関係なく、使用しなかった数字を当てることにする。
念のため、英文の意味を書くと、式1=人が到達できる月、式2=十字路は危険、式3=数字を調べろ……といったところ。式10、式11はもう少し、凝っていて文字の上でも正しく足し算が行なわれていて、しかもきちんと覆面算になっているもので、解答はただ1通りだけである。同じやり方で日本語で作られたものが式12と式13である。
AB×AB=CBD のようなものはその一例である。
この正体は 28×28=784 であるが、これでは味も素っ気もない。そこで、問題を作るときに工夫すると面白い意味のある言葉を作ることが出来る。これが、ワード覆面算といわれるものであり、さきの問題でAを「ピ」、Bを「ヨ」、Cを「ヒ」、Dを「コ」におきかえると、 ピヨ×ピヨ=ヒヨコ になる。
覆面算の名付け親は、海野十三のペンネームで探偵小説や科学小説を書いた佐野昌一である。彼の言によると、数字が文字の覆面をしているのを、推理の力でエイ! ヤッ! と引っぱがすというのである。覆面算のルールとしては、
①1つの文字には1つの数字を当てる
②同一の文字には同一の数字を、異なる文字には異なる数字を当てる
③最高位の文字には0を当てない
があり、ここまでは異論がないが、1桁の場合にその文字に0を当てていいかどうかについては、研究者の間でも意見が分かれている。
※海野 十三(うんのじゅうざまたはうんの じゅうぞう、1897~1949年:日本の小説家、SF作家、推理作家、漫画家、科学解説家。日本SFの始祖の一人と呼ばれる。本名は佐野昌一(さの しょういち)。
覆面算は文字を用いるので、少し工夫をすると意味を持った問題を作ることができる。そのやり方には2通りある。1つは暗号覆面算、もう一つはワード覆面算である。
西欧では Alphametic(アルファメティック)と呼ばれるが、これはalphabet(アルファベット)と算術という意味のarithmetic(アリスメティック)の2語の合成語である。
最初の暗号覆面算であるが、これは覆面算を解いて1を表す文字から順に並べると、言葉が現れるものである。次の作品はその古典的作品で、1919年に出されたというD・E・スミスという人の「昔の数の物語」の中にあるという。
右の暗号覆面算の2題はなんの変哲もないようであるが、解いてみると
1234567890
INOCULATES
となって、INOCULATES(接種する)という言葉が現れる。
これに対して、ワード覆面算は問題自体が言葉からできているもので、注目されるようになったのは1960年代になってからの事であるという。近年の数学遊戯の本には多くの新作が出ているというが、歴史は古く、昔の傑作として、左図のような1924年に発表された古典的で、最も著名な作品がある。この作品は今から100年近くも前の1924年に The Strand Magazine(ストランド・マガジン)誌に発表されたもので、「もっと金送れ」という文句が足し算になっているものなのである。これを例に覆面算の解き方を考えてみよう。
まず和の最高位を見れば、Mが1であることはすぐわかるだろう。2つの数の和が20を越すことは、下からの繰り上がりがあったとしても、あり得ないからである。このMが1であるためには、S+M(=1)が9以上でなければならないので、Sは8か9。したがって、和のMOは10か11であるが、すでにMは1であることが確定しているので、Oは0に決定する。まあ、このように解いていくが、時には試行錯誤で解かねばならないこともある。
覆面算のいろいろな問題(式1~式13)を掲げておくので、試しに各自でいろいろ工夫しながら解いてみて欲しい。解答はいずれもただ1つ。式1~式3は海外の問題、その他は日本人の作ったものだという。
英語、ローマ字、漢文とまさに多彩。問題の一部が空白(□で示す)になっているものは、そこにどんな数字が入ってもよく、重複してもかまわないことになっている。式4と式7はローマ字読みで、式8の?は計算には関係なく、使用しなかった数字を当てることにする。
念のため、英文の意味を書くと、式1=人が到達できる月、式2=十字路は危険、式3=数字を調べろ……といったところ。式10、式11はもう少し、凝っていて文字の上でも正しく足し算が行なわれていて、しかもきちんと覆面算になっているもので、解答はただ1通りだけである。同じやり方で日本語で作られたものが式12と式13である。
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目高 拙痴无
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1932/02/04
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