瘋癲爺 拙痴无の戯言・放言・歯軋り
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61b3868f.jpeg 中国で、1878年(光緒4年)にタングラムと別のタイプの知恵の板の本が出版された。それが『益智図』(全6巻)である。これは「十五巧板」とも呼ばれ左図のように、正方形を15片に分割したものである。益智図も日本やヨーロッパに伝えられたが、タングラムのようには流行(はや)らなかった。なおわが国でも、寛政年間(1789~1800)に19片からなる知恵の板がかなり流行したという文献があり、同類のものに15片のものもあった。
 パズル『益智図』の発案者は清末の文人、江蘇省祟明の人、童葉庚(字、松君。號、睫巣。又號、巣睫山人)。古典詩文から書画・金石にまで通じた多能の人であったらしい。このパズルは15枚の板で作った(型)、とそれが何を題材にしているのかを表わす、詩や故事の断片から成っている。
 
伏羲時龍
5bc01e73.jpeg 馬負圖出
 孟河背有
 陰陽五十五
 點伏羲則
 之始畫八卦

 伏羲の時,龍馬 圖を負いて孟河を出ず。 背に陰陽の五十五點あり。 伏羲これにのっとり,始めて八卦を畫す。
 ※「河圖洛書(かとらくしょ)」の故事。「河圖」すなわち,易の八卦先天圖の由來。 伏羲は中國の傳說上の皇帝,人の始祖ともされる。 孟河は黃河の支流。渡し場があった。
 
禹治水地
5dc747b5.jpeg 平天成神
 龜負文
 出于洛禹
 象之列
 洪範九疇

 禹 水を治め地を平らぐ。天 神龜(しんき)と成りて,文を負い洛より出ず。 禹 これに象(かたど)りて洪範九疇を列す。
 ※「河圖洛書(かとらくしょ)」の故事。「洛書」すなわち,易の八卦後天圖の由來。禹は中國の傳說上の皇帝。
 
 花影  宋・蘇軾
d44e843e.jpeg 重重疊疊上瑤臺 幾度呼童掃不開
 剛被太陽收拾去 却教明月送將來

 重重 疊疊 として瑤臺に上る 幾度り童を呼びて掃けど開かず 剛被す太陽 收拾して去るは 却って教う 明月の送りて將に來るべきを
 ※『千家詩』より引用
 ようようのぼった見晴らしの 塵は僕(しもべ)に掃かせどあかず お日樣のすとんと落ちたるは 今宵月見に良きしるし
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目高 拙痴无
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1932/02/04
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