瘋癲爺 拙痴无の戯言・放言・歯軋り
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  朝起きると腰周りや足が無性に痒い場合がある。その多くは蚤に刺されたものであるらしい。何処で貰ってくるのかはわからないが、こんな時は部屋を閉め切ってバルサンを焚くことにしている。
 日本語名の「のみ」は、人間の血を飲むことから「飲む」の訛りから付いたそうだ。漢字の「蚤」は、「掻きたくなる痒い虫」という意味だという。
のみしらみ 馬の尿する 枕もと(松尾芭蕉)
蚤虱 音に鳴く秋の 虫ならば わが懐は 武蔵野の原(良寛)
蚤焼いて 日和占う 山家かな(小林一茶)
よい日やら 蚤が跳ねるぞ 踊るぞや(小林一茶)
 俳句や和歌に歌われるほど昔から、蚤や虱は日常生活に身近なものだったのだろう。
 
50e4de78.JPG 『蚤の歌』はゲーテの戯曲「ファウスト」にある詩(ファウスト第一部、ライプチヒのアウエルバッハの酒場でメフィストフェレスが歌う)に展覧会の絵でおなじみのムソルグスキーが曲をつけたものである。まずは、Ctrlキーを押しながら
http://www.youtube.com/watch?v=zRZH4TXO62c
をクリック、インターネットエクスプロラーから、再度このブログを呼び出して、曲を聴きながら詩を味わっていただこう。
 
蚤の歌
          堀内 敬三 訳詩
MUSORGSKI(ムソルグスキー)作曲
            小川一鬼 独唱
 
昔 王様蚤を飼い 蚤 蚤
王子のように可愛がる
蚤 ハハハハハ 蚤 ハハハハハ 蚤
仕立て屋を召し 言わるる
余の蚤の外套を立派に作れ
蚤に外套 ハハハハハ 
蚤 ハハハハハ 外套 ハハハハ 
ハハハハハハ 蚤に外套
 
ビロードの服を蚤に着せて
御殿の中でいばりかえらす ハハ
ハハハハハ 蚤 ハハハハ
ハハハハハハ 蚤
 
蚤は大臣になりすまして
仲間の蚤ども連れて歩く ハハ
 
妃も女官も恐れをなし
うかつに手出しするものなくハハ
 
さされてたとえ痒かろうとも
つぶすことさえまかりならぬ
ハハハハハハ …
 
2347581a.JPG 詞は、ゲーテの『ファウスト』をアレクサンドル・ストルゴフシチコフ(1808~1878年)がロシア語訳したものが使われているという。メフィストフェレスは、王様に寵愛されたノミにまつわる歌を歌い、権力者に媚びへつらう姿勢をファウストの取り巻き連中に見立てて揶揄するのである。曲の随所に挿入された「ハハハ、ヘヘヘ」というメフィストフェレスの笑い声はムソルグスキーの発案によるものであり、訳詞のロシア語イントネーションを旋律に密接に関連させるなど、完成度の高い作品に仕上がっているという。
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教師の日
 新暦、中国における毎年の9月10日は、法定された「教師の日」("教師節")です。休日ではありませんが、女子学生がよく男性の教員にプレゼントする日です。
 実は、この私は日本に来る前に北京のある大学で教えたことがあります。ただ記憶している限りでは、プレゼントされたことがないようです(>_<)。
シン 2011/09/11(Sun) 編集
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1932/02/04
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くたばりかけの糞爺々です。よろしく。メールも頼むね。
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