淮南国(わいなんこく)の国王 劉安(りゅうあん、BC179~122)は仰る。『天下に水より柔弱なものはない。しかも水は、測り知れず大きく深く、はるばる無窮無涯(むきゅうむがい)のかなたにつらなり、かつは増しかつは減じて、ほとんど比量すべくもない。天では雨露(うろ)となり、地では潤沢をなし、水なくしては何者も生ぜず、何事もならぬ。生きとし生けるものを包んで依怙(えこ)をせぬ大いさ。虫けらにまで及ぼして報いを求めぬ恩沢。天下を充(み)ち足らせて竭(つ)くことを知らぬ富。万民に施してついえとせぬ徳。回り巡って窮(きわま)りのないこと。かけそくも捉(と)えどころのないこと。撃っても傷つかず、刺しても破れず、斬っても断たれず、焼いても燃えぬ。ぐなぐな流動し、交わり縺れ、さて散り失せることがない。金石をも貫くほど鋭く、天下を済(すく)うほどたのもしく、無形の境域にたゆたい、恍惚の上空を翔(のぼ)り、川谷の間を巡り、茫漠(ぼうばく)の荒野に漲る。過不足があれば、天地と調整を図り、万物に洩れなく自らを注ぐ。さてこそ、公もなく私もなく、溢れたら揺れかえり天地と一体だ。左となく右となく、深く湛え繁く錯(まじ)わり、万物と道連れだ。さてこれを至徳という。いったい、水が天下に至徳を全うしうるのは、ぐなぐなとしてしかも滑らかな為である。さてこそ老耼(ろうたん、老子)はいう。「天下の至柔(しじゅう)は、天下の至堅(しけん)を自在に貫き、無有より出ずればこそ無間(むかん)にも入る。予はここにおいて無為の益を悟ったのである。不言の教(おしえ)、無為の益は天下にこれに及ぶものは殆どないのである。」(老子第四十三章)と。そもそも、無形は万物の遠祖、無音は諸声の宗家である。その子は光、孫は水。ともに無形より生じた甲斐あって、光は見えるばかりで手にとれず、水は触れられるが毀(こ)わつことはできぬ。さて像(てごたえ)あるもののうち、水より尊いものはない。』(淮南子、原道訓第一より)と。
国会が閉会となり、政局混迷の度合いを増してきたようだ。今朝のウェブニュースより
小沢氏の新党発言波紋 13日ヤマ…民主分裂も ―― 民主党のメルトダウン(溶融)が始まった。菅直人首相(党代表)ら党執行部と小沢一郎元代表ら非主流派による党内抗争は、小沢氏が新党結成の可能性に言及する事態に発展。一方、党執行部は13日の役員会で小沢氏の国会招致への流れを作りたい意向で、招致に応じなければ小沢氏の処分も辞さない構えだ。党分裂の可能性を抱えつつ、政局は大きなヤマ場を迎える。
小沢氏の国会招致を目指す岡田克也幹事長ら党執行部への批判は、9日も収まる気配はなかった。/松木謙公農水政務官「そんなバカなこと…。とても考えられない」/川内博史衆院議員「小沢さんのことを言う前に、まず自分がどうするのか」/国会内の会議室には小沢氏に近い民主党1年生議員で作る「北辰会」のメンバー約20人が集まり、岡田氏への批判が続出した。
多数決で国会招致:岡田氏は防戦に追われた。9日の記者会見では「小沢氏は政治倫理審査会に出てきて説明するのが望ましい」と改めて主張したが、小沢氏の国会招致に向けて検討していた緊急役員会の開催については「そういう予定はない」と断念する意向を示した。/それでも首相に近い議員からは「主戦論」がやまない。岡田氏らは13日の役員会で「政倫審の議決によって小沢氏の国会招致を求める」ことをあえて多数決で決めることも視野に入れ、一歩も引かぬ構えだ。/政倫審の開催には委員の3分の1以上による申し立てと過半数による議決が必要だが、主戦論者からは反小沢派の議員で委員を固める案が検討されている。/鉢呂吉雄国対委員長は9日夕、公明党の漆原良夫国対委員長に政倫審実現に向けた協力を要請。漆原氏も応じる意向を示した。/もっとも小沢氏が国会招致に応じる保証はなく、反小沢氏の立場に立つベテラン議員は「(党が)分裂するならすればいい。そうしたら解散だ」と言い放った。
首相、舛添氏と会談:民主党の内紛がここまで過熱する背景には、来年の通常国会や来春の統一地方選をにらみ「菅政権のままでは持たない」(小沢氏に近い若手議員)との観測が強まる一方「ポスト菅も党内に見あたらない」(ベテラン議員)という事情がある。内閣支持率も下がり続けているが、誰もが明確な出口戦略を描けていない。/こうした状況で、小沢氏が新党結成の可能性に言及した。問題は民主党内で小沢氏と行動を共にする議員が何人いるかという点だ。/小沢氏は9月の代表選で民主党議員200人の支持を得た。当然、そのすべてが小沢氏の新党に参加するわけではない。しかし、衆院議員「306人、横路孝弘議長を含む)のうち六十数人が民主党を離脱すれば、衆院の過半数を割り込むことも事実だ。/政党の枠を超えた動きも活発化している。/首相は9日、都内のホテルで新党改革の舛添要一代表と会談した。両氏は「今、日本は危機的な状況にある」との認識で一致したという。舛添氏は8日には小沢氏と鳩山由紀夫前首相、鳩山邦夫元総務相とも会談した。首相と11月18日に会談した与謝野馨・たちあがれ日本共同代表は近く、小沢氏と囲碁をする。
渡辺読売会長動く:政界関係者をざわめかせているのが渡辺恒雄・読売新聞グループ本社会長の動きだ。3年前の自民、民主両党の大連立騒動の際、仲介人として水面下で動いた渡辺氏は、7日に由紀夫氏、8日には谷垣禎一・自民党総裁と相次いで会談。谷垣氏には「税と社会保障、憲法で大連立が必要だ」と説いたが、さすがに拒否したという。/「政治家ですから、局面局面でいろんな動きが出てくるということではないでしょうか」/仙谷由人官房長官は9日の記者会見で、思わせぶりな発言をした。/生き残りを懸けた戦いは、もう始まっている。 (産経ニュース、2010.12.10 08:42)
いうなれば、クイズは知識があるかどうかを問うこと、あるいは知識を土台にした論理的推理を伴う質問をすることを指し、パズルは知識の有無を問うものではなく、与えられた情報を組み合わせたり、推理したり、ひねったりしないと答えられないような、考え悩ませる問題ということになる。
クイズは必ず言葉が必要になるが、パズルはルービックキューブやナンプレ(ナンバープレイス/数独)のように、やり方さえ理解すれば、まったく言葉の介在を必要としないものもある。
ただし、クイズは出題形式によってはパズル的な要素を加えることもできるし、押しボタンにより時間を競ったり、別のゲームと組み合わせることによって複雑化したりすることができる。パズルも、クロスワードや漢字パズルのように、知識の有無が重要になるものもある。両者は連続しており、完全に別個のものではないといえる。
図形をいくつかの断片に切り分け、並べ直すパズルは西洋にも多いが、紙を「折って切る」というのは、日本独特のものらしい。
問題:左の図のように正方形の一部を欠いた形の紙を適当に折り、一度だけハサミを入れて切り、その断片をつなぎ合わせて、ひとつの正方形にせよ。
解1)9分割した正方形の1つが欠けた形なので、最小単位の「1」になるまで、紙を折りたたむ。1辺が「1」の正方形の対角線を切る。ばらばらになった断片を組み合わせると、一辺が「2√2」、面積が「8」の正方形になる。
解2)最初の形を3×3から1×1の正方形を除いたものとすると、「8」の平方根が「2√2」になることは、最初からわかっているので、後は、出来るだけ少ない折数で作るかである。折った回数は2回、4ピースで正方形が完成できる。切れ味のよい解答である。
解3)「2√2」はいろんなところに隠れているので、別の折り方と切り口を見つけてみる。欠けた部分をうまく活かした、解2)と並んで対称性に富んだなかなか美しい解法だ。
このパズルは昨日取上げた寛保3年(1743年)に刊行された中根彦循(なかね・げんじゅん:1701~1761年)の「勘者御伽双紙」(かんじゃおとぎぞうし)にも載っていて、『一小刀(いっこがたな)の問題』と呼ばれている。その解法は左の通り。
「俺は河原の枯れすすき 同じお前も枯れすすき …」 野口雨情作詞、中山晋平作曲の船頭小唄を口ずさみながら、誰もいない小雨そぼふる橋場・今戸のテラスを南下して帰宅した。
訳)荘子は夢に蝶となり、覚めれば元の荘子となっていた。/一つのものが交互に変化するのだから、万事が変化してその様子はさまざまである。/そこで蓬莱山を巡る水も、また①清く浅い水となるのがわかる。/②青門の瓜を植えている人は、もとは秦の東陵侯であった。/富貴の身分なぞはもともとこのようだ。/一心にもとめるなど何のためか。(中国古典文学大系 唐代詩集 平凡社刊)
①神仙伝に麻姑仙人の言葉として「生涯に三度、東海が桑田になるのを見、蓬莱の水が昔より浅くなった」と言ったとある。
②邵平は秦王朝の臣。前漢王朝の臣。東陵侯。召平は秦の東陵侯であったが、秦の滅亡とともに庶民となる。召平は貧乏をし、瓜を長安城の東に植えたが、非常においしかったので、世間はこれを東陵の瓜と呼んだ。
朝のテレビはドレもこれもチリの落盤救出劇で沸いている。国会中継を見てもあまり有効な論議はされていないようだ。10時半、時代劇大岡越前に見とれて、とうとう朝の徘徊はお流れとなった。
今日のウェブニュースより。
チリ 地底から全員生還 ―― 【コピアポ(チリ北部)=加藤美喜】チリ北部サンホセ鉱山の落盤事故で、地下七百メートルに閉じ込められた作業員三十三人の救出作業が十三日夜(日本時間十四日午前)、完了し、事故発生から六十九日ぶりに全員が地上に生還した。世界中がかたずをのんで見守った世紀の救出作戦は大成功を収めた。/午後十時(同午前十時)前、最後の一人のルイス・ウルスアさん「54」が引き上げられると、鉱山前の家族のテント村や近郊のコピアポ市中心部では一斉に歓声がわき起こった。作業員の後に残った救助隊員も、無事に地上に引き上げられた。ウルスアさんは、出迎えたピニェラ大統領に「救助隊員の皆さんに感謝します」と語った。/作業員たちは順次医師の診察を受け、ヘリでコピアポ市内の病院へ搬送された。マニャリク保健相は十三日夕、作戦完了の数時間前の時点で、七人が集中治療室で治療を受け、うち一人は急性肺炎にかかっていると述べた。二人が深刻な歯の感染症にかかり、全身麻酔による手術が必要な状態だという。/落盤事故は八月五日に発生、二十二日に三十三人全員の生存が確認された。地中深くまで直径約七十センチの縦穴を掘り、一人乗りの特殊カプセル「フェニックス(不死鳥)」を使って一人ずつ引き上げる救出作戦は大幅に短縮され、二カ月弱での成功となった。
◆結束守った『ボス』 「三十三番目」はボスだった。最後に救出されたルイス・ウルスアさんは、リーダーとして作業員を統率、地中に閉じこめられた後も、同僚がパニックに陥らないよう強い指導力を発揮し、三十三人全員の結束を守りあげた。/「あなたをとても誇りに思う。ありがとう」。出迎えたピニェラ大統領は、チリ国旗を首に巻いたウルスアさんを抱き締めると、感謝の言葉を述べた。/ウルスアさんは「今の気持ちは言葉にならない。みな強い精神力があった。必ず脱出できると信じていた」と落ち着いた声で答えた。/鉱山労働者の組合幹部だった義父の影響を受け、二十代から鉱山労働に従事。/八月五日の落盤事故後は、全員で手分けをして脱出口を捜索。それがないと分かると、自らが過去に遭遇した鉱山事故の経験を生かしながら、冷静に仲間に規律を守らせ、救助を待った。/全員が閉じ込められた地下約七百メートルの避難所には、わずか二、三日分の備蓄食糧しかなかった。ウルスアさんは一人あたりの食料分配を一日おきにツナ缶スプーン二口、牛乳をコップ半分、缶詰の桃を一切れだけと決め、食事は毎回皆で一緒に食べることと定めた。/救助を待つ間は、落盤の影響がない坑道の長さや位置をしっかり把握し、空間を有効に使って生活した。 (東京新聞、2010年10月14日 14時06分)
桜橋~水神大橋間をひと回り。行きは殆んどが夜道。東白鬚公園内の梅若橋を越え、東京都リハビリテーション病院のまえをとおって、水神大橋を渡る頃辺りが漸く白み始める。全天雲に覆われ、所々に青空が見える。今日はスカイツリーに雨雲がかかっていないので、この後晴れるだろう。
水神大橋を渡ると、汐入公園を少し歩いて、テラスに降りて、水神大橋の下を潜り、少し北上した所に、背の低い低木か紫色の花をいっぱいに付けている。近寄ってみるとマメ科植物に特有の複葉で、蝶型をした花が房状についている。山上憶良が詠った「「萩の花 尾花 葛花 瞿麦(なでしこ)の花 女郎花 また藤袴 朝貌の花(万葉集・巻八 1538)」の秋の七草の最初にでてくる萩の花に違いあるまい。万葉集に詠われる花は萩の花が最も多いと聞く。何故か鹿を男性に萩を女性に擬した歌が盛んに歌われたという。
【通釈】巻8-1541の和歌:私の住む岡に牡鹿が来て鳴く。萩の初花を花嫁に得ようとやって来て鳴く牡鹿よ。/巻8―1542の和歌:私の住む岡の秋萩の花は、風がひどいので、今にも散りそうになってしまった。一緒に見て惜しむ人がいてくれたらよいのに。
橋場から今戸にかかる遊歩道でなにやら甘い嘗て何処かで嗅いだ香りがする。1本の金木犀があり、金色の花をいっぱい付けている。金木犀は雌雄異株であるが、日本では雄株しか入っていないので結実しないといわれる。金木犀の香りは甘めで強くしっかりとしているため、トイレ用の芳香剤として1970年代初頭から1990年代前半頃まで人気商品であったいう。
午前6時10分、対岸のアサヒビールの看板脇から今しもご来光。因みに、現在の東京の日の出は5時40分頃という。
今朝のウェブニュースより。
日本政界の影の実力者に、起訴相当の議決 ―― 【東京】日本の裁判所に設置され、くじで無作為に選出された11名の一般市民で構成される検察審査会は4日、民主党の小沢一郎元幹事長(68)を、政治資金規正法違反の容疑で起訴すべきだとする議決を公表した。小沢氏は今、これまでの波乱万丈のキャリアの中でも最大の危機に直面している。/日本の政治体制はここ数年、相次ぐスキャンダルと首相交代によって大きな痛手を受けており、今回の動きは、この不安定な状態をさらに動揺させることになりそうだ。/小沢氏は、わずか3週間ほど前に、民主党の代表選挙で菅直人首相と党首の座をかけた争いを演じ、敗れたばかり。与党である民主党の党首への選出は、首相の座を得ることを意味していた。このとき小沢氏が勝利していれば、憲法の規定により、首相であり続ける限り、訴追を免れることができるはずだった。ただし、小沢氏は、そうなった場合、特権は行使せず、裁判で戦うと主張していた。/日本のメディアが報じたところによると、小沢氏は声明で「わたしの問題でお騒がせしていることを心からおわび申し上げる。今後は裁判の場で無実であることが必ず明らかになるものと確信している」と述べた。/裁判で勝訴するか否かにかかわらず、今回の議決によって、影響力ある政治家としての小沢氏のドラマチックなキャリアには、実質、終止符が打たれることになる可能性が高い。小沢氏は、これまで20年近くも政界の実力者として君臨しながらも、一度も首相の座に就くことはなかった。/今回の検察審の議決によって、小沢氏は今後強制的に起訴されることになるり、党内のトップ議員2人による激しい代表争いによって生じた与党民主党の亀裂がさらに深まる懸念がある。/小沢氏は今後、他の議員から議員辞職を求められる可能性が高く、そうなれば小沢氏を支持する大勢の議員が指導者を失うことになる。こうした事態は、菅首相にとって党内の最大のライバル勢力の1つを弱めることになるが、中国との緊迫した膠着状態への対応をめぐる国民の怒りをはじめとした、さまざまな難題に苦しむ同政権の行方に新たな暗雲をもたらすことになる。/ 小沢氏は先月行われた民主党代表選に際して、検察審が起訴議決した場合も、離党も、議員辞職も必要はないと語っていた。/今回のような注目度の高い事件において、検察審が検察官による判断を覆す議決を行ったことは、日本の検察当局にとっても新たな失点となる。厚生労働省の局長が郵便割引制度悪用事件で起訴された事件で、担当検事の1人が証拠品改ざんの疑いで逮捕されたことで、検察当局は国民からの厳しい批判にさらされている。元局長は結局、無罪が証明され、先月職場復帰を果たしている。/日本のメディアによると、起訴された検事は、小沢氏の側近の1人の取り調べに際して一時的に応援要員として送り込まれていた。このことも、今回の検察審の判断に影響した可能性がある。この検事の2人の上司も後日、データ改ざんを隠ぺいした容疑で逮捕されている。/現在、小沢氏の去就、それが与党政権内の勢力図や菅首相の影響力にどのような影響を与えるかに注目が集まっている。日本では通常、起訴された場合、強制的に職務を放棄させられる。これは、日本では起訴の99%が有罪判決に至っているためだ。/最も注目されるのが、今回の件によって、民主党内の多くの小沢氏の支持者にどのような影響が及ぶかだ。支持者の大半が、自らの選挙戦での勝利に関して小沢氏の指導に恩義を感じており、9月の党代表選で小沢氏が敗れたことや、その結果、内閣や党内部の要職から小沢派の議員が「外された」ことに不満を持つ若手議員で占められている。小沢氏が離党または議員辞職した場合、これら支持者が、離党に踏み切るか、あるいは党内の他勢力との妥協を模索する道を選択するかは不透明だ。 (ウォール・ストリート・ジャーナル日本版、2010年 10月 5日 13:09 JST)
sechin@nethome.ne.jp です。
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