溝上かをるさん(Dr.中村東樹主催の新ネット俳句の仲間)のフェイスブックに「アフリカの発展途上国への様々な支援をされている恵理さん、その先にはイラクや北朝鮮も視野に。優しさ、行動力、決断力・・素晴らしい若き女性の活躍に感動しました。」とあり、記事の紹介がありましたので、記載させていただきます。
2歳児の母がアフリカにかける思い JICA・中村恵理
発途上国への支援などを行っている国際協力機構(JICA)。各国や国際機関と協力し、インフラ整備や農業開発、自然環境保全などに取り組んでいますが、職員たちは実際、どんな働き方をしているのでしょうか。JICA本部(東京都千代田区)で、アフリカ諸国の支援を担当している中村恵理さん(37)に、日々取り組んでいる仕事と、仕事を支えるランチについて聞きました。
アフリカの子どもたちを健康に
アフリカの9か国を対象としたアフリカ部アフリカ第1課で、ケニアとルワンダの2か国を担当している中村さん。現地の大統領などからの要請を受けて、その国に必要な様々な施策が実行できるようサポートしています。例えば、ルワンダでは今、子どもの栄養不良を改善するための仕組みづくりを進めています。中村さんは、数か月に1度は現地に赴き、ルワンダ政府との協議だけでなく、実際に農民や子どもたちの暮らしぶりを見て、現地の状況に即した施策ができるように努めています。
ただ、いくら良い施策を作っても、現地の慣習やニーズに沿っていなければ実行されません。例えば、子どもの栄養改善のためには、妊娠の段階での栄養面のケアや情報提供をすることが必要とされています。ルワンダの農村を訪問しましたが、妊婦の姿が見つかりませんでした。後になって、農村では、女性が周囲に妊娠を隠そうとする慣習があることを知りました。妊婦の早期発見が重要な施策であるにもかかわらず、簡単ではないことが分かりました。
中村さんは「我々から見ると合理的でないことも、文化や歴史的背景から、弱い立場の人にとっては当たり前なこともある。まずは、行動の裏にある動機を解きほぐして働きかけなければ、施策は浸透しないんです」と話します。
政府や関係機関の体制づくりをサポートしたり、プロジェクトを立ち上げたりするなど、「日本とアフリカをつなぐ窓口のような業務」も中村さんの仕事。様々な立場の意見を集約するのに苦労することも多いですが、「それぞれの国に『自分たちの国をなんとか良くしたい』という思いを持って国づくりに力を尽くしている方々がいる。JICAのノウハウを使って、その方々と『伴走』できることにやりがいを感じます」と、中村さんは目を輝かせます。
食堂もワールドワイド
世界各国で職員が活動するJICAは、ランチも世界規模。東京・市ヶ谷の交流施設「JICA地球ひろば」にある食堂「J’s Cafe」では、週替わりでエスニック料理を提供しています。アルゼンチン、インドネシア、キューバ――世界各国の料理は、職員以外でも楽しむことができ、施設見学に訪れた修学旅行生らからも人気です。
ふだんは、本部内の社員食堂や周辺でランチを済ませる中村さんですが、研修などで地球ひろばを訪れた際は、必ずこの食堂を利用するそう。駐在経験のある国の料理がメニューにあると、「懐かしい気持ちになって、『あ、あの料理がある!』とうれしくなりますね」。
お気に入りはスーダン料理。中村さんは2009年から2年間ほど、南スーダンに駐在していました。当時は、スーダン共和国から独立する直前で、大きな建物もほとんどなく、事務所はプレハブ。コンテナや簡素なホテルで生活していました。ただ、現地の料理は、オクラやゴマ、ピーナツなど、日本と同じような食材を使い、味付けも日本人好みで食べやすかったそうです。
スーダンでは、「ラクダの肉」にも挑戦したそう。「歯ごたえがあって、ジビエのような味わいでおいしかったですよ。向こうでは生で食べる人もいます」と教えてくれました。
アフリカ開発会議が日本で開催
今年8月には、横浜市で「第7回アフリカ開発会議(TICAD)」が開かれます。日本が主導し、国連やアフリカ連合委員会(AUC)、世界銀行などと共同で行う国際会議で、アフリカ諸国の首脳らや、日本とアフリカのビジネスリーダーたちが一堂に会し、アフリカ開発の課題や、さらなる連携に向けて議論がおこなわれます。JICAではアフリカ部が主体となり、準備を進めています。
アフリカ諸国は今、モバイル決済や輸血用血液のドローン輸送など、革新的な取り組みで注目を集めています。中村さんは「アフリカと聞くと、暗いイメージを持たれがち。でも、日本でもまだ見られないような先端技術を活用し、生活を良くしているといった明るい側面も、多くの人に知ってもらいたいですね」と期待を込めます。
平和構築につながる記憶
発展途上国の平和のために奔走する中村さんの根底には、幼少期に祖父母から聞いた戦争体験の記憶があります。高校生の時、パレスチナ問題のニュースと祖父母の話が重なり、「祖父母の話を『何十年も前の話』と、人ごととして聞いていたけれど、今でも同じような体験をしている人たちがいるんだと驚きました」。
平和構築のために何かしたいと漠然と考えるようになり、学生時代はNPOの活動を知るためにカンボジアへ。大学院では紛争研究に取り組み、06年、JICAに入りました。「第2次世界大戦から2世代後の我々は、当時と全然違う生活をしていますよね。世代が変われば、物事、世の中も変わる」と中村さん。紛争のある国でも、「何世代か後の人たちは、今の日本のように安心できる生活を手に入れられるかもしれない」と願いながら、平和のために貢献してきました。
アフリカに学ぶ子育て術
南スーダンから帰国後の2011年に結婚。今は、2歳の子どもを育てながら働いています。海外出張の多い仕事ですが、子育てとの両立に不安はないそう。なぜなら、出産当日まで働いたり、産後すぐ仕事に復帰したりするアフリカ女性のパワフルな姿を間近で見てきたからです。
「アフリカの人たちから、コミュニティーで子育てする文化や、『どうにかなる』というポジティブな考え方を学びました」と中村さんは話します。海外出張の際には、夫や両親がローテーションを組んで子育てに協力。出張中は、インターネット電話のスカイプなどで子どもと話をするのが楽しみの一つです。
また、出産を経験したことで、海外での活動で妊婦や子どもを見ると、「母子手帳はあるのかな」「うちの子と比べて、この子たちは小さいな」などと気に留めるように。母親としての視点が生かされるようになったといいます。
いずれはイラクなどの紛争地域へ
今はアフリカ支援のプロフェッショナルとして活躍している中村さんですが、入った時からの志望は「イラクや北朝鮮の、現地の人たちと一緒に国づくりに伴走したい」。まだ実現はしていませんが、子どもが大きくなったら、現地に駐在して平和構築に携わりたいと考えています。
これまでの経験の全てが紛争地域の支援に生かされると信じる中村さん。「近い将来、紛争の絶えない地域での国づくりや人づくりにも関わり、少しでも地域が安定するよう力になれたら」 (取材・文/メディア局編集部 安藤光里、写真/金井尭子)
ウェブニュースより
藤井聡太二冠「残り2局が大事」 順位戦の昇級持ち越し ―― 将棋の藤井聡太二冠が6日、第79期名人戦・B級2組順位戦(朝日新聞社、毎日新聞社主催)9回戦で中村修九段(58)と対戦し、午後9時58分、94手で勝ち、今期順位戦の成績を8勝0敗とした。競争相手の棋士が敗れた場合、残り2局を残して昇級が決まる可能性もあったが、対象になった3棋士が全員勝ったため、藤井二冠のこの日の昇級決定は成らなかった。
終局直後の両対局者へのミニインタビューのうち、主なやりとりは、以下の通り。(取材時点では昇級の判断は定まっていない)
https://www.youtube.com/watch?v=gBYXTHtd-Dg
【藤井聡太二冠】
――相居飛車の力のこもった将棋だった。全体を振り返っての感想を。
「序盤は先手(=中村九段)の方が手厚い形になって、少し自信が無いのかなと思って、指していました。その後も、こちらの玉が結構、薄い局面が続いたので、分からなかったです」
――途中まではAI(人工知能)の評価値も五分五分の形が続いた。8筋を詰めた辺りから、藤井二冠に形勢が傾いたようなAIの評価だった。どの辺から手応えを感じた?
「8筋を詰めたところは、悪くはないかなとは思ったんですが、ただその後、どういう方針で指すかが難しくて。本譜は攻め合いにいったんですけど、少し(先手の攻めを)呼び込みすぎたかもしれない。その辺りは、分からなかったです」
――終盤、どのあたりで勝ちを意識されたのか?
「(78手目の)△6八歩と打つ手が見えて、勝ちを意識したわけではないですけど、少し行けそうかな、と思いました」
――最終盤で、先手の馬の位置をずらす、飛車のタダ捨て(=86手目の△8一飛)など格好いい手が出た。
「(次に)角を出た形(=88手目の△3五角)が厳しいので。行けそうかな、というふうには感じていました」
――本日の勝利で、今期順位戦は負け無しの8連勝で単独トップを走っている。順位戦での連勝が19に伸び、自己記録を更新した。
「一度負けた時は、また(連勝を)ここまで詰み重ねられるとは思っていなかった。ただ、順位戦は残り2局が大事だと思っているので、結果が出るように頑張りたいと思います」
――順位戦の通算成績は37勝1敗。驚愕の成績。持ち時間も長く、藤井二冠も「力を発揮できる棋戦」と言っている。これだけ強いのは、なにか特別な思いがあるのか。
「どの対局も同じ気持ちで臨んでいるつもりではあるんですけど。順位戦は、持ち時間が6時間と一番長いので、それが自分に合っているのかな、と思います」
――2021年の最初の対局だった。
「今年は年が明けてからわりとすぐに対局があったんですけど。普段通り指せたのかな、とは思います」
――年末年始は、どう過ごした?
「対局が無かったので、多少のんびりした気分ではあった。普段と同じように、ネットで練習対局をしたりして過ごしていました」
――今日の将棋は、藤井二冠が勝った場合、他の棋士の勝敗によっては昇級が決まる対局でした。この点は、意識した?
「特に……。目の前の一局に集中しよう、と思っていました」
【中村修九段】
――今日の将棋は、出だしで角換わりにはせずに、力戦調にされた。一局を振り返ると?
「今日はとにかく粘ろうと思って指してきたが、中央に模様を張る形になってしまい、攻める将棋かな、と。結果的に、ちょっと攻めてしまったんですけど、うまいタイミングで反撃されて。自分の思っていたイメージと違う展開になってしまったのが残念ではありましたね。こんなに、丁寧に受けられるとは思わなかった。途中から全然、攻めが続かないような形になってしまった。序盤で(41手目の)▲3五歩と突いていったのを後悔していました」
――藤井二冠との順位戦は初めて。特に印象に残った手は?
「鋭い手がいくつもあって、すごく気にしていました。本譜で、(64手目)△8五桂と跳ねたりとか、△8一飛とか。実際に指してみると、藤井二冠は長い時間じっくり読んで、しっかりとこちらの手を読み切る、という感じを、強く受けましたね。こちらは昭和の感覚で、『まあ、なんとかなるかな』という感じで攻めていったんですけど、どうもしっかりと読み切られてみますと、どれも息切れする変化が多くて。結果的に、しっかりと受けられて、反撃、という形。完敗という感じがしました」
――(72手目の△3四銀と)中村九段の飛車を取りに来られた時に(73手目の)▲6四歩という勝負手があったが。
「あれ、悪かったですか(苦笑)。底歩を打てないと、粘れないかと思って(6筋の歩を突き出した)。飛車を取る手もあるかもしれないですけど、底歩が打てないとダメかと思って、とりあえず、どっちかで取ってくれたらいいなと思って、(▲6四歩と)取り込んでみた。でもちょっと足りないかなと思いました。飛車を走った時に、歩とか受けて、弱気に指してくれれば、勝負になると思ってましたけど。強く、銀を立たれて、やっぱり辛いなと思っていました」
――今日は和服で、対局室入りも早かった。気合を感じました。
「お正月ですから(笑い)。たまに、和服で対局することはあって、前期も最終局、降級がかかった一番だったので和服を着た。藤井さんとは、なかなか指す機会も無いですから、自分自身に気合を入れよう、と。そういった意味で指していて、途中までは良かったんですけどね。肝心なところで集中できませんでした。それが悔やまれます」
――棋士会の会長として、棋士会のユーチューブに出演された時、「藤井さんとの対局をとても楽しみにしている」という発言がありました。指し終えての感想は?
「楽しかったですけどね。しかし、もう少し、良い勝負をしたかった、というのがちょっとだけ残念なところですね」 (朝日新聞DIGITAL 2021年1月7日 9時10分)
貴景勝、綱とりへ「いつも通り」 大相撲初場所10日初日 ――大相撲初場所(両国国技館)は10日に初日を迎える。11月場所で、稀勢の里以来となる大関として22場所ぶりの優勝を果たし、自身2度目の賜杯を抱いた貴景勝が初の綱とりに挑む。綱とりの壁となるはずだった横綱白鵬は新型コロナウイルスに感染し、出場は厳しい状況となったが、出場すれば進退を懸けて土俵に立つことになる横綱鶴竜、ともに初のかど番で尻に火が付いている正代、朝乃山の2大関、先場所の本割で敗れた照ノ富士など、越えなければならない障壁は多い。それでも貴景勝は「本当にいつも通り」と泰然とした口ぶりだ。
基礎鍛錬重ね、11月場所で結実
新型コロナウイルスに大きく左右された昨年を「見つめ直せた1年だった」と貴景勝は振り返る。3月は無観客開催となり、5月場所は中止。相撲を取る稽古ができない時期もあったが、「それが自分にとっていい気づきになった。基礎運動を増やしたことが大きい。応用よりもまずは当たる強さを磨こう、と根本的な意識が変わった」という。出稽古禁止や番付発表前の合同稽古などイレギュラーな調整が続く中、こつこつと四股やすり足、スクワットで下半身を重点的に鍛えてきた成果が11月場所で結実した。
基礎鍛錬が中心になったとはいえ、実戦も十分に積んできた。先場所前に続き2度目の開催となった12月の合同稽古には3日間参加。朝乃山との三番稽古に加え、白鵬に胸を借りた。「肌で感じるものが多く、得られたものがたくさんあった」と充実感を漂わせている。
立ちはだかるかど番の2大関
綱とりの難敵となるのが、ともに先場所を途中休場し、今場所がかど番の2大関だ。昨年の対戦成績は朝乃山に1勝2敗、正代には3連敗と分が悪い。朝乃山は「先輩大関に向かっていくだけ」。正代も「(相手が)綱とりだろうと負けたくない気持ちは変わらない」。かど番ということも相まって、いつも以上に闘志むき出しでぶつかってくるだろう。
2場所連続で全休中の鶴竜は先場所後に横綱審議委員会から「注意」の決議が出されたこともあり、次に本場所に出る時は並々ならぬ思いでの出場となる。腰の故障もあって、先月末にようやく同部屋の霧馬山と相撲を取る稽古を始めた。コンディションこそ十分とは言えないものの、出場となれば相当の覚悟で来るはずで、一筋縄ではいかないだろう。
周囲の注目とは裏腹に、本人には力みがない。「プロに入った時からいい成績を残したいと思って毎場所臨んできた。(初場所は)大事な場所だけれど、何かを変える必要はない」。突き押し一本で横綱になるのは難しいともいわれるが、「だからこそ目指す価値がある。無理と言われているからやりがいがある」と意に介さない。
「優勝するためには集中し切って自分の相撲を取るしかない」。欲を出さず、培ってきた押し相撲に徹するのみ。24歳の若武者はやるべきことをわきまえている。 (日本經濟新聞 2021年1月6日 11:00)
明けましておめでとうございます。本年もこのブログをよろしく。
コロナの脅威「看板」の白鵬まで 感染相次ぐ角界、初場所への影響避けられず ―― 大相撲の横綱・白鵬の新型コロナウイルス感染が5日、判明した。角界では昨年末から年明けにかけて、荒汐親方(元前頭・蒼国来)や前頭・若隆景ら荒汐部屋の12人の感染が判明したばかり。感染の脅威が角界の「看板」にまで及び、10日に初日を迎える初場所(東京・両国国技館)への影響は避けられない事態だ。
感染し入院した白鵬の初場所休場が確実となり、ともに休場からの復活を懸けていたもう一人の横綱、鶴竜は5日、稽古(けいこ)後に取材に応じた。白鵬の感染をニュースで知り「気をつけてやらないと」と気を引き締める一方、早くも場所前から一人横綱の重責を背負わされ、「しっかり結果を残さないといけない」と話した。
日本相撲協会の芝田山広報部長(元横綱・大乃国)によると、白鵬と同じ宮城野部屋の十両・炎鵬ら所属力士らも5日にPCR検査を受けたという。白鵬以外に症状を訴える者はいないが、「場所も近く、いち早く検査を受けさせないといけない」と協会の判断で受けさせたという。
角界では昨年末から荒汐部屋などで集団感染が発生。芝田山広報部長は荒汐部屋の力士の初場所出場は「難しい」と話したものの、宮城野部屋については「(白鵬以外の力士が)みんな陰性だったなら、専門家の話を聞かないといけない」と慎重さを見せた。白鵬も含めて大量の力士が休場する事態になれば、初場所の運営にも影響が出かねないためだ。
政府が東京都などへの緊急事態宣言再発令の検討を始めたことに伴い、協会は5日、初場所の入場券について6日午後5時で「売り止め」とし、当日券も含めて新たなチケットは販売しないと発表した。
初場所は政府の方針に従い初日と2日目を観客上限5000人、3日目以降は約5300人で開催する予定だったが、芝田山広報部長は「(宣言が)出される前に対策を取る。6日まで(チケットを)売るのは、協会として何かない限りは通常開催するという(意思表示の)意味もある」と説明した。
これまで政府の対応は、協会の判断に大きな影響を及ぼしてきた。昨年2月末にスポーツ庁から大規模イベントの自粛などを求める通知を受けると、3月の春場所の無観客開催を急きょ決定。同5月には緊急事態宣言の延長を受けて夏場所を中止した。
協会は4日に続いて、5日も幹部が対応を協議。芝田山広報部長は「(政府の)方針が出たら、それにどう対応していくか。初日の前日、前々日とぎりぎりまで(対応を)答えられないかもしれない」と事態を見極める考えを示した。 [毎日新聞2021年1月5日 20時00分(最終更新 1月5日 20時01分)]
成人式の中止発表が相次ぎ悲鳴 新宿区は「絶対にやる」 ―― 11日に成人式を迎えるのは4都県で約35万人にのぼる。新型コロナの緊急事態宣言下で新成人を集めた祝典を開くかどうか。首都圏の自治体が頭を抱えている。
東京都内では、4日だけで少なくとも13区市が式典の中止を発表した。
台東区はそのひとつ。2部制にして例年より時間を短くして開催する予定だったが、担当者は「大みそかの(都内の感染者)1300人超が衝撃だった」。開催した場合、式典後に新成人らが大人数で会食するリスクを否定できないことも考慮したという。
墨田区も中止に。小池百合子・東京都知事が国に宣言発出を要請した2日から検討していた。区は「感染の広がりや医療現場の現状をみるとやむを得ない」という。13区市のほか、渋谷区も正式に宣言が出れば中止する。
一方、新宿区の吉住健一区長は取材に「絶対にうちはやります」と述べた。「一生に一度の大切な行事。高価な晴れ着を1年前から準備している方も多く、オンライン開催では意味が薄れる」と話した。例年の倍近い大きさの会場で、2部制で開くという。
神奈川県では、茅ケ崎市が中止を発表。大和市と海老名市は延期する。昨夏にいったん式典中止を発表した後、開催を望む強い声で撤回した横浜市は、緊急事態宣言の内容を見て判断するという。
さいたま市は、さいたまスーパーアリーナで2部に分けて開催する準備を進めてきた。清水勇人市長は「式の進め方の見直しなどを検討して一両日中に結論を出したい」と述べた。市青少年育成課によると、動画投稿サイト「ユーチューブ」によるリモートだけの開催も選択肢の一つとして考えられるという。
業者からは悲鳴が上がる。振り袖やはかまを貸し出す都内の貸衣装店は「キャンセルが多くなるかも」。昨春もコロナのために多くの大学で卒業式が中止となり、晴れ着のキャンセルが相次いだ。「成人式は書き入れ時。卒業式に続いて大打撃にならないか心配だ」
首都圏で美容室を運営する「ユニックス」(埼玉県蕨市)の営業担当の岡本尚樹さん(44)は「成人式の中止が増えれば、すごく痛い。契約している晴れ着の着付け師のキャンセル料も支払わなければならなくなる」と話した。 (朝日新聞DIGITAL 2021年1月5日 6時00)
日本の役割 戦後復興の経験もヒントに世界に資する独自性を追求
詫摩:途上国支援から核の問題、人権、AIDS、マラリア、そして新型コロナウイルスの感染拡大まで、グローバル社会にはさまざまな課題がありますが、私は教員として多様な事例を参考するとともに、中村さんのような実務経験者の視点を研究に取り入れながら、日本の保健協力における潜在力を掘り起こす研究成果を生み出せればと考えています。また、学生の指導においては、広く国際社会で解決すべき課題に関する基本的な知識と、選択可能なオプションも提示した上で、自分はどうするべきだと考えるのか、それはなぜなのかを自分の頭で考えて解決方法を導き出せる力を伸ばせればと考えています。正解のないテーマばかりですが、東京都立大学の学生の意識は非常に高いですし、社会をよりよく変革したいという気概を感じています。
中村:私はJICAで採用面接を担当することや大学の授業で学生さんに教えたりすることがありますが、同じように学生の皆さんの熱意を感じます。途上国でも日本国内でも、立ちはだかる問題は多様かつ複雑化して予測不能ですので、特定分野の知識というよりも、自分で動いて情報を集め、仮説を立てて解決策を考え、多様なステークホルダーを巻き込みながらその解決策を実施し、自論をブラッシュアップしていけるような人材に期待しています。そして、私自身は今後も実務家として紛争影響地域の国づくりや人材育成に携わりたいという希望を持っています。並行して、これまで実務家として南スーダンやソマリア、ブルンジなどで携わってきたプロジェクトのインパクトや教訓の整理集約も進めています。数々の実体験を紐解き、体系化できる部分は体系化することで、実務の成果をアカデミックな場で発信していきたいと考えています。そのプロセスを踏むことで、実務と学術研究の双方の知見を兼ね備え、それらの知見をまた現場で活用することができればと思います。現在、大学院に通い、紛争影響地域における民間セクターの役割について研究を進めている理由もそこにあります。
詫摩:そうですね。私も実務と学術研究は相互補完関係にあるべきだと思います。だからこそ私も、専門分野である「グローバルヘルス×国際政治」の研究成果をJICAの活動のような実務分野に還元できたり、論文を読んだ方に新たな視点を与えられたりできるような存在でありたいと考えています。現在は、先進諸国の独自性がどう現実の保健外交に活かされているか比較分析を進めており、各国の潜在力を具現化するプロセスを解明することで、今後求められる日本の役割をあぶり出したいのです。
中村:その役割を明らかにするヒントになるのが、日本の復興経験だと思います。いま紛争の渦中にある人々も、戦禍によって保健システム等の基本的な社会インフラへのアクセスがない人々も、数十年後には平和や安全な暮らしを手に入れられる可能性があることは、戦後復興を果たした日本人自身が経験として知っています。その経験も活かしながら途上国の人たちに伴走したいと考えています。祖父母の戦争体験に端を発するこの思いは、赴任先や出張先の途上国で出会った人々のエネルギー、今の日本では感じられないような国づくりへの情熱や献身に触れることでより強固になりました。これを読んだ学生さんが国際協力にやりがいを感じ、将来の選択肢に加えてくれると嬉しいです。
国際協力のあり方 協調が信頼を育み信頼が支援を加速させる
詫摩:現在のグローバルヘルスの研究では、中村さんのように実地体験を積み重ねるからこそ見えてくる課題も多く、実務分野の方と連携する重要性を感じています。日本は、新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大する以前から、負担可能な費用で医療にアクセスできる体制を目指した国際支援を行い、実務的な支援策として日本発の医療リソースを提供してきた実績があります。そうした取り組みの継続が、短期的にはコロナ禍を終息に導き、中長期的には次なるパンデミックに備える体制づくりにつながるはずであり、活動を牽引するJICAの重要性もさらに高まると思います。
中村:JICAの保健分野の活動の軸は、途上国の保健システムの強化や同分野を担う政府高官から現場レベルのコミュニティヘルスワーカーまでを含む様々な保健人材の能力強化です。コロナ禍は、保健システムが機能することによって回避できる部分がありますが、途上国の多くは末端まで十分に機能している保健システムがないことが大きな課題です。
詫摩:途上国では、コロナ禍で励行されるべき手洗いのための環境自体が整っていないケースも珍しくないのですよね。
中村:石鹸があっても水が出なかったり、料理や洗濯のための水の使用が優先されたりすることもあり、手洗い用に水を残すこと自体、ハードルが高い地域も少なくありません。私が赴任した南スーダンでは、子どもたちがプラスチックの容器に水をくみ、家に持ち帰って少しずつ大切に料理などに使うのですが、その水もそれほどきれいな水とは言い難いケースもあります。ただ、それでも現地では貴重な水なんです。
詫摩:基本的な衛生設備・衛生インフラの確立は各国で支援を進めるものの、普及がままならない状況なのですね。
中村:協力する側であるドナーや国際機関、NGOが意図した使われ方ではなく、現地の人々が別の使い方を優先させてしまうケースや、そもそも圧倒的に支援物資が足りないケースもあります。また、交通インフラの未整備によって支援を必要とする場所に辿り着くことすらできない場合は、援助を行き渡らせるために、国際機関が空から物資を投下することもあります。
詫摩:ただ設備をつくるだけではなく、陸路などの周辺整備も並行して行う必要があるのですね。その点、先進諸国による政府開発援助(ODA)と比べて、中国は道路や鉄道といった伝統的なハード面のインフラ整備に注力する傾向にあると思います。
中村:中国は国際協力の多様な分野でリーダーシップを取ろうとしています。例えば、南スーダンの僻地では医療サービスを提供し、現地で喜ばれていました。中国に対しては自国の利益だけを追求しているといった批判もあり、実際にそういうケースもあるかとは思いますが、実はソフト面の支援を強化するなど、国際協力の内容をアップデートさせているんです。
詫摩:先進国からすると中国は野心的に映りますが、現地からは対応がスピーディーだと評価する声もありますよね。
中村:そうですね。南スーダンで新国家の立ち上げに携わった際、国際機関や先進国がインフラを整備しようとすると、環境アセスメントなどでとても時間がかかったのですが、中国はトップダウンですぐに動きます。賛否両論ありますが、現地住民からすれば、生活の改善に直結する支援として有効なケースがあることも事実。その点、日本にとって中国は、国際協力におけるライバルともいえますが、決して競う必要はなく、戦略的に協調したり、役割の棲み分けをしたりしながら、国際協力を推し進めることが肝心なのだと思います。
詫摩:保健協力と国家間の信頼関係は、どちらも欠いてはならない両輪ですので、信頼関係がないから協力しないのではなく、協力関係の中で信頼関係が醸成されていくことが理想です。日中韓の3国にしても、「日中韓保健大臣会合」という枠組み自体はあるものの、政治的な対立によって活用し切れていません。大切なのは未来志向で協力する姿勢です。(以下、次回に続く)
福岡に在住する甥の Dr.中村東樹(私の亡くなった姉の長男)がFacebookに、娘中村恵理の記事をshareしました。以下、数回にわたって、このブログに記載させていただきます。
【特別企画】東京都立大学 法学部教授 詫摩 佳代×独立行政法人国際協力機構 中村 恵理
グローバルヘルスにおける 日本の果たすべき役割
東京都立大学法学部の詫摩佳代教授と、独立行政法人国際協力機構(JICA)で国際協力に従事する中村恵理氏は、学生時代のゼミ仲間。現在はお互いに母として子育てをしながら、学術研究と国際協力実務の第一線で活躍しています。
いまでも「佳代ちゃん」「恵理ちゃん」と呼び合う間柄のお二人に、学生時代の思い出や現在の仕事内容や信念、学生に向けたメッセージなどをお聞きしました。
プロフィール
詫摩 佳代 Kayo Takuma
東京大学法学部卒業後、同大学院総合文化研究科国際社会科学専攻国際関係論博士課程単位取得退学。博士(学術)。日本学術振興会特別研究員、東京大学東洋文化研究所助教、関西外国語大学外国語学部専任講師、首都大学東京法学部准教授などを経て2020年より東京都立大学法学部教授。専門はグローバル・ヘルス・ガバナンスと国際政治。近著に『人類と病-国際政治から見る感染症と健康格差』(中公新書、2020年)がある。
中村 恵理 Eri Nakamura
東京大学文学部卒業後、東京大学公共政策大学院国際公共政策コース修了。独立行政法人国際協力機構(JICA)に勤務し、南スーダン独立時には首都ジュバに駐在し、新国家の行政機能強化や人材育成に携わったほか、ソマリア、ブルンジ、ルワンダといった紛争影響地域の開発事業に従事。現在は慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科博士課程にも在籍し、紛争影響地域における民間セクターの役割について研究を進めている
学生時代 共通の恩師に背中を押され研究と実務のフィールドへ
詫摩:中村さんとの出会いは、日本外交史や国際政治をテーマとする東京大学法学部の北岡伸一ゼミ。私は、日本人初の国連難民高等弁務官として活躍されていた緒方貞子さんに憧れ、外交や国際政治の勉強をしていました。そのゼミに文学部から参加したのが中村さんです。専攻外のゼミに挑戦するほど意欲的な女性として印象深く、私の中で特別な存在でした。
中村:私は幼い頃から祖父母の戦争体験を聞く機会があったのですが、日本は戦後数十年で豊かで平和な暮らしを享受できていると感じた一方で、世界では現在も戦禍で苦しむ人がいることも知り、将来は紛争影響地域で国際協力に関わる仕事がしたいと思って門を叩きました。
詫摩:中村さんは、当時から海外を飛び回って実体験を重ね、海外を知っているからなのか、ゼミでの発言内容には偏狭さがなく心に響きました。中村さんを含むゼミの仲間からは多くのことを学び、私自身の視野が広がった記憶があります。
中村:私は、学生時代は、政治や経済以外の切り口で世の中を捉えようと考えて文学部を選び、長期休みにはバックパッカーとしてアジアや南米を旅していました。自分の目で海外を見て、異文化環境を肌で感じながら新たな気づきを得ることに魅力を感じていたんです。学部時代には進路に迷うこともありましたが、国際協力に興味がある私に公共政策大学院への進学を勧めてくれたのが、ゼミの指導教員だった北岡伸一先生。その後、実際に国際協力の世界に入りましたので、先生が背中を押してくれたおかげで今があると思っています。「バッターボックスに立て」(外から批判することは簡単だが、当事者意識を持って学んだり発言をしなさい)という先生の言葉は、今も胸に刻まれています。北岡先生は現在、私が勤務する独立行政法人国際協力機構(JICA)の理事長なのですが、同じ主旨のお話を職員にもされることがあり、当時から一貫されていると感じます。
詫摩:私もゼミで先生から影響を受けて研究者の道を志し、大学院に進学しました。研究テーマも、かつて台湾で衛生政策を進めた後藤新平についてゼミで学んだことが契機となって、WHO(世界保健機関)によるグローバルヘルスへの興味が高まりましたし、現在の研究にもつながっています。先生はその後、ニューヨークで日本政府国連代表部の特命全権大使を務められて、そのお話を伺えたことも、研究の糧になりましたね。
(以下、次回に続く)
つぎねを詠める歌
つぎねはセンリョウ科センリョウ属の一人静(ひとりしずか)、または二人静(ふたりしずか)という説があります。ここでは一人静(ひとりしずか)を紹介します。一人静(ひとりしずか)は、4~5月頃に山地や草地で、短い白い
穂状花序をひとつ咲かせます。
一首だけに登場します。「山城(やましろ)」を導く枕詞(まくらことば)として「つぎねふ」という言葉で詠まれています。
巻13-3314:つぎねふ山背道を人夫の馬より行くに己夫し.......(長歌)
ウェブニュースより
将棋の藤井聡太二冠、年内最後は白星 順位戦無敗で首位 ―― 将棋の藤井聡太二冠(18)が16日、第79期将棋名人戦・B級2組順位戦(朝日新聞社、毎日新聞社主催)で野月浩貴八段(47)と対戦し、81手で勝った。今期B級2組の成績は7勝0敗となり、無敗は藤井二冠1人で、B級1組への昇級に向けて大きく前進した。
東京都渋谷区の将棋会館での対局は午前10時に始まり、互いに1時間を超す長考を記録するじっくりした戦いになったが、最後は藤井二冠が押し切った。「(形勢は)最後までわからなかった。(連勝が続いているが)これまでのことは考えずに、残りの3局も今まで通り臨めれば」と話した。
https://www.youtube.com/watch?v=YPPQ8ybhCRo
今期B級2組には25人が参加。それぞれ10戦して、成績上位3人がB級1組に昇級する。藤井二冠はこの日が年内最後の対局だった。次の対局は来年1月6日。B級2組順位戦で中村修九段(58)と対戦する。 (朝日新聞DIGITAL 2020年12月17日 0時13分)
“GoTo停止”発表直後に…総理ら8人でステーキ会食 ―― GoToトラベルの全国一斉停止を発表した直後に菅総理大臣が高級ステーキ店で忘年会。5人以上が集った会食に批判が集中しています。
14日に決まったGoToトラベルの一時停止。この会見の直後、菅総理は東京・銀座にある高級ステーキ店で会食。出席によりますと、200グラムのステーキが出され、和やかな雰囲気だったといいます。
この会食を野党が問題視しています。
立憲民主党・安住国対委員長:「国民に自粛を呼び掛けている間に、なんか高級ステーキを食べて、自分たちは8人で盛り上がっていると」
政府の分科会が5人以上での会食を控えるよう呼び掛けるなか、菅総理の会食が波紋を広げています。
14日の夜、都内のステーキ店で会食した菅総理。同席したのは自民党の二階幹事長(81)、福岡ソフトバンクホークスの王貞治会長(80)、俳優の杉良太郎さん(76)ら8人ほど。70歳を超える人たちの忘年会でした。
会食に同席した自民党・二階幹事長:「(Q.感染対策を取っての会食だった?)マスク取らなきゃ食事できないじゃないですか。まあ皆、十分注意してるでしょう」
タレント・みのもんたさん:「(Q.総理は『マスク会食』を呼び掛けていたが)僕、よく見てなかったから。そこまでは見てないから分からない」
政府の分科会は「感染リスクが高まる」として5人以上での会食を控えるよう呼び掛けていることから、与党内からも苦言が出ています。
自民党・佐藤総務会長:「一応、5人という制限を申し上げた以上ですね、しっかりと襟を正していくということが大切なのではないかなと私は思います」
公明党・竹内政調会長:「何と言っても総理ですから、一国のトップでありますのでね。配慮が必要なんではないかなというふうに思います」
立憲民主党・大西健介議員:「西村大臣はですね、会食のクラスターのうち、5人以上の会食が8割ということも頭に置いて頂きたいと国民に呼びかけていますけども」
西村経済再生担当大臣:「色んな状況がありますので、感染防止策を徹底するということが大事であります」
立憲民主党・大西健介議員:「『5人以上の会食は避けて下さい』…と言ってるのに、いやいや、ちゃんと対策をやってれば5人以上でもいいかのような発言をされると、結局、一体、国民はどっちなんだと」
西村経済再生担当大臣:「一律に5人以上はだめだということを申し上げているわけではございません。もし、どうしてもされる場合には、それは感染防止策を徹底して、対応して頂ければと考えてるところであります」
飲食店への時短要請の長期化が避けられないなか、回転ずしチェーンの「くら寿司」では、ある苦肉の策が取られています。
くら寿司では、苦境を乗り越えようとコロナ禍の長期化を見越した対応を取っています。くら寿司では、8月、9月の時短要請には応じていたもののアルコールを提供しないことで「時短をしない」という決定をしました。都内にある全40店舗のうち、先月28日から一部の店舗を除いてアルコール類の提供を休止。このため、これまで通り午後10時以降も営業しています。
さらに、感染対策として番号が記された券を受け取り、店員の案内なしで席へ向かうことができるほか、店の端末を使わずに自分のスマートフォンから注文、セルフレジでの会計も行い、感染対策を徹底しています。
くら寿司広報・辻明宏さん「今から出店していく店だけでなく既存の店でも、できるだけ従業員と接触しない形で非接触のシステムを安心してご利用頂ける店づくりを今年一年かけて進めていく」
くら寿司では苦境を乗り越えようとコロナ禍の長期化を見越した対応を取っています。
そんななか、飲食店の予約管理システムを提供する会社がこのようなデータを発表。東京都の約2000のお店を調査した結果、午後6時から午後10時までの来店人数が時短営業期間中は、その前後の約1.5倍となり、増加していることが分かりました。
テーブルチェック・谷口優代表:「政府が外食自体を控えろとか大々的なアナウンスをしない限りは、やっぱり消費者の心理としては我慢しきれない部分も出てきているのだと思う」 [テレ朝NEWS 2020/12/16 19:33]
槻(つき)を詠める歌4
巻13-3223:かむとけの日香空の九月の.......(長歌)
題詞:雑歌
題訓:雑歌(ぞうか)
原文:霹靂之 日香天之 九月乃 鐘礼乃落者 鴈音文 未来鳴 甘南備乃 清三田屋乃 垣津田乃 池乃堤之 百不足 卅槻枝丹 水枝指 秋赤葉 真割持 小鈴父由良 手弱女尓 引攀而 峯文十遠仁 捄手析 吾者持而徃 公之頭刺荷
万葉集歌 巻13-3223
作者:不明
よみ:かむとけの 日(ひ)香(かほ)る空の 九月(ながつき)の 時雨(しぐれ)の降れば 雁がねも いまだ来鳴かぬ 神南備(かむなび)の 清き御田屋(みたや)の 垣内田(かきつた)の 池の堤の 百(もも)足(た)らず 禊(みそき)の枝に 瑞枝(みづえ)さす 秋の赤葉(もみちは) ま割り持ち 小鈴もゆらに 手弱女(たわやめ)に 吾はあれども 引き攀(よ)ぢて 峯もとををに ふさ手折(たを)り 吾は持ちて行く 君の頭刺(かざし)に
意訳:稲妻が光り、雲間からの日差しが香しい空の九月に時雨が降っても、雁はまだ渡って来て鳴くことのない神が宿る清らかな御田屋の、その動物除けの垣の内側の田の、その池の堤に生えている、百には満たない三十ほどの禊(榊)の枝に瑞々しい枝ぶりがある。秋の紅葉の枝を引き裂いて持って、小さな鈴が揺ら揺らするような、しなやかな肢体をした手弱女の私ですが、枝を引き捩って、その枝が、峰が滑らかや曲線を見せると同じように沢山に手折って、私は持って行きましょう。貴方の頭に天蓋のような傘をさすために。
◎甘南備は、漢字表記としては神南備とも記して一般名称での神が宿る神聖な杜を示しますが、万葉の時代では漢字表記で「神名火」は明日香の甘橿の丘付近を示すようです。
そうした時、長歌は、大きな山から次第に人里の池の堤の、その堤に生える禊の枝の、そして、その中の紅葉した枝と、景色を見る焦点は次第に絞られてきます。このように、非常に視線の流れが巧みです。それに対して短歌では、長歌が示す距離の変化ではなく、時間の変化が主眼です。長歌と短歌では移り変わる対象が、全く、違います。空間の広がりと時間の流れとの対比をお楽しみ下さい。
ウェブニュースより
今年の漢字は「密」、新型コロナ感染拡大で ―― 2020年の世相を1字で表す「今年の漢字」に「密」が決まり、日本漢字能力検定協会が14日、京都市東山区の清水寺で発表した。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、多くの人が「密」を意識し、日常生活にも大きな影響があったことなどが理由。
「今年の漢字」は26回目。昨年は、新元号「令和」の時代を新たに迎えたことなどから「令」が選ばれた。今年の発表は、改修工事を終えた国宝・本堂の「清水の舞台」で行われた。〔共同〕 【日本經濟新聞 2020年12月14日 14:26 (2020年12月14日 14:30更新)】
浅香光代さんが死去 92歳、膵臓がん…浅草を中心に「女剣劇」で活躍 ―― 「女剣劇」で活躍した俳優の浅香光代(あさか・みつよ、本名北岡昭子=きたおか・しょうこ)さんが13日午前1時47分、膵臓がんのため東京都内の病院で死去した。92歳。東京都出身。葬儀・告別式は近親者のみで行う。
子役として舞台に立った後、浅草を中心に活動して女剣劇全盛時代を築いた。その後俳優として舞台、映画、テレビに進出。バラエティー番組に多く出演して“ミッチー”の愛称で親しまれた。
故野村沙知代さんの言動を批判して論戦を繰り広げた「ミッチー・サッチー騒動」でも広く知られた。(共同) (東京新聞 2020年12月14日 14時56分)
羽子板市へ景気づけの手締め 浅草寺境内で17〜19日 ―― 台東区の浅草寺境内で開かれる年末の風物詩「羽子板市」(17〜19日)をPRしようと、地元の新仲見世商店街の理事らが7日、約100の加盟店を回って商売繁盛の手締めをする恒例行事「羽子板ストリート」を催した。鳶(とび)の頭(かしら)の口上では、「コロナに打ち勝つことを祈念して」の言葉も加え、一本締めに疫病退散の意味も込めた。
商店街では羽子板市に向けて、買い物客らにプレゼントするオリジナル羽子板ストラップ三千六百個、カレンダー四千部を用意した。ストラップは来年のえとの丑(うし)があしらわれている。
手締めには例年、商店街のマスコット「新にゃか」が同行するが、新型コロナウイルス感染防止で「密」の発生を避けるため今年は不在。黄緑色のはんてん姿の参加理事らも、通常の半分ほどの約十人に絞った。羽子板市のプレイベントの羽根突き大会も中止となっている。
商店街は今年、コロナ禍で一時客足が遠のき、店の撤退や入れ替えが目立った。大谷友孝理事長(70)は「大変な年だったが、羽子板市を盛り上げて締めくくりたい」と話した。 (東京新聞 2020年12月8日 07時21分)
槻(つき)を詠める歌3
巻3-0277:早来ても見てましものを山背の高の槻群散りにけるかも
巻7-1276:池の辺の小槻の下の小竹な刈りそねそれをだに君が形見に見つつ偲はむ
巻11-2353:泊瀬の斎槻が下に我が隠せる妻あかねさし照れる月夜に人見てむかも
巻11-2656: 天飛ぶや軽の社の斎ひ槻幾代まであらむ隠り妻ぞも
◎旋頭歌(せどうか)は、奈良時代における和歌の一形式です。『古事記』『日本書紀』『万葉集』などに作品が見られます。
五七七を2回繰り返した6句からなり、上三句と下三句とで詠み手の立場がことなる歌が多い。頭句(第一句)を再び旋(めぐ)らすことから、旋頭歌と呼ばれる。五七七の片歌を2人で唱和または問答したことから発生したと考えられています。
国文学者の久松潜一は『上代日本文学の研究』において、旋頭歌の本質は問答的に口誦するところにあるとの考えを示し、他の研究者もこれを支持しています。一人で詠作する歌体もあるが、これは柿本人麻呂によって創造されたとの説があります。
『万葉集』には62首の旋頭歌がおさめられ、そのうち35首までが「柿本人麻呂歌集」からのものです。『万葉集』以後は急速に衰え、『古今和歌集』以下の勅撰和歌集ではまれです。
ウェブニュースより
藤井聡太2冠が銀河戦初制覇、渡辺竜王の21歳超え ――藤井聡太2冠(18)が今年、「3冠」を達成した。CS番組「囲碁・将棋チャンネル」で12日放送された、「第28期銀河戦」決勝で糸谷哲郎八段(32)に97手で快勝した。中盤から攻めをつないで押し切った。棋聖、王位のタイトル奪取に続き、テレビ棋戦でも初優勝を果たした。「(銀河戦は)初めての決勝で多少緊張はあった。局面が進むにつれて落ち着いて指せた」という。
https://www.youtube.com/watch?v=o5w2qKhBGUI
Cブロック6回戦スタートの藤井は、初戦で出口若武四段を下すと、中村修九段、森内俊之九段、郷田真隆九段、稲葉陽八段、羽生善治九段を撃破。16人による決勝トーナメントの初戦で増田康宏六段との激戦を制した後は、準々決勝で永瀬拓矢王座、準決勝で木村一基九段も破り、一気に頂点へと駆け上がった。
銀河戦は持ち時間各15分、ほかに1分単位で合計10回の考慮時間があり、切れたら1手30秒未満で指すという「早指し」のテレビ棋戦。「これまで結果が出ていなかった。優勝を機に成長できるように精進していきたい」と話した。
この棋戦の10代での優勝は初めて。これまでの年少記録は、第13期に渡辺明竜王が達成した21歳だった。 [日刊スポーツ 2020年12月13日9時6分]
槻を詠める歌2
巻2-0213:うつそみと思ひし時にたづさはり.......(長歌)
題詞:柿本朝臣人麻呂妻死之後泣血哀慟作歌二首[并短歌] 或本歌曰
標訓:柿本朝臣人麿の妻死りし後に泣(い)血(さ)ち哀慟(かなし)みて作れる歌二首并せて短歌 或本の歌に曰く
原文:宇都曽臣等 念之時 携手 吾二見之 出立 百兄槻木 虚知期知尓 枝刺有如 春葉 茂如 念有之 妹庭雖在 恃有之 妹庭雖在 世中 背不得者 香切火之 燎流荒野尓 白栲 天領巾隠 鳥自物 朝立伊行而 入日成 隠西加婆 吾妹子之 形見尓置有 緑兒之 乞哭別 取委 物之無者 男自物 腋挾持 吾妹子與 二吾宿之 枕附 嬬屋内尓 <日>者 浦不怜晩之 夜者 息<衝>明之 雖嘆 為便不知 雖戀 相縁無 大鳥 羽易山尓 汝戀 妹座等 人云者 石根割見而 奈積来之 好雲叙無 宇都曽臣 念之妹我 灰而座者
万葉集 巻2-0213
作者:柿本人麻呂
よみ:うつそみと 思ひし時に たづさはり 我がふたり見し 出立の 百枝槻の木 こちごちに 枝させるごと 春の葉の 茂きがごとく 思へりし 妹にはあれど 頼めりし 妹にはあれど 世間を 背きしえねば かぎるひの 燃ゆる荒野に 白栲の 天領巾隠り 鳥じもの 朝立ちい行きて 入日なす 隠りにしかば 我妹子が 形見に置ける みどり子の 乞ひ泣くごとに 取り与ふ 物しなければ 男じもの 脇ばさみ持ち 我妹子と 二人我が寝し 枕付く 妻屋のうちに 昼は うらさび暮らし 夜は 息づき明かし 嘆けども 為むすべ知らに 恋ふれども 逢ふよしをなみ 大鳥の 羽がひの山に 汝が恋ふる 妹はいますと 人の言へば 岩根さくみて なづみ来し よけくもぞなき うつそみと 思ひし妹が 灰にてませば
意訳:この世の中のことと思っていた時に、お互いの手を取り合って、私と貴女と二人で見た庭先の堤に立つ欅の木のあちらこちらの枝に春の葉が茂るように、生き生きとした貴女でしたが、そして、頼りのなる若い貴女でしたが、人の生き死にの、この世のことの決まりことに背くことが出来なくて、ほむらの燃える荒野に白妙の布で貴女の遺体を包み隠して、鳥たちのように朝に送り立たせて、夕日のときに葬儀を終えて貴女の身をこの世から隠すと、貴女の形見に残した幼子が貴女を求めて泣くごとに、幼子にしゃぶらせることのできるようなものもないければ、男である私の腋に抱えてあやし、貴女と二人で私と共寝した枕を置く貴女との部屋の内に、または、心悲しく日を暮らし、夜はあれこれ考え朝迎え、嘆くのだけどどうしょうもなくて、貴女を恋しく思っても、再び貴女に逢うこともありえない。大きな鳥のような羽を交わすような山に私が恋しい貴女がいますと人が云うので、岩道を踏み分け苦しみながらも来たことよ。貴女に逢えるという良いこともなくて、この世の人と思いたい貴女が火葬の灰になっているので。
ウェブニュースより
コメディアン 小松政夫さん死去 ――「デンセンマンの電線音頭」や「しらけ鳥音頭」などのネタや歌で人気を集め「小松の親分」の愛称で知られたコメディアンの小松政夫さんが今月7日、肝細胞がんのため東京都内の病院で亡くなりました。78歳でした。
https://www.youtube.com/watch?v=hLhPCESHFfg
小松さんは福岡市の出身で、昭和39年に当時、国民的人気だったコメディアンの植木等さんの付き人として芸能界入りし、テレビ番組や舞台で演じたひょうきんなキャラクターや持ち前のギャグで一躍人気者となりました。
中でも、伊東四朗さんとのコンビで出演したコント番組で演じた「小松の親分」は、小松さんを代表するキャラクターとなり、番組の中で披露した「デンセンマンの電線音頭」や「しらけ鳥音頭」などのネタや歌が大ヒットしました。また、イッセー尾形さんとの即興の二人芝居など舞台での活動も精力的に行ったほか、植木等さんとの師弟関係を描いた自伝的長編小説「のぼせもんやけん」は平成29年に原案としてNHKでドラマ化されています。
小松さんは去年11月に肝細胞がんが見つかり、治療を受けながら最近まで仕事を続けていましたが、先月14日から入院し、今月7日、都内の病院で肝細胞がんのため亡くなりました。78歳でした。
葬儀は親族のみで11日執り行ったということです。
伊東四朗さん「俺より先に逝くなんて」
コメディアンの小松政夫さんが亡くなったことについて、コント番組にコンビで出演していた俳優の伊東四朗さんは「俺より先に逝くなんて馬鹿野郎。会いたかった」と、所属事務所を通じてコメントを発表しました。
イッセー尾形さん「どんな無茶ぶりも受けとめ笑いに」
コメディアンの小松政夫さんが亡くなったことについて、小松さんとの二人芝居で共演した俳優のイッセー尾形さんは「突然の訃報にただただ驚いています。きっと元気でやっておられるとばっかり思ってました。楽しい舞台をご一緒させていただきました。笑いの渦と真剣な汗が目に焼きついています。こう言うと、ますます信じられませんが…とにかく小松さんの包容力に甘えての舞台でした。どんな無茶ぶりでも受けとめて大きな笑いを劇場に巻き起こしたものです。ここで型どおりを言わなければならないなんて。残念です。心よりご冥福をお祈りいたします。やすらかにお休みください。おつかれさまでした」と、コメントを寄せました。
出身地 福岡では悼む声
コメディアンの小松政夫さんが生まれ育った福岡市博多区の商店街では、小松さんの死を悼む声が聞かれました。
買い物に訪れていた女性は「テレビの中ではふざけていますが、とても温かく、芯は優しい人という感じがありました。亡くなってさみしいです」と話していました。
商店街で働く女性は「この近く出身で、山笠のときにははっぴを着ているのを見かけていたのでさみしいです。山笠やどんたくが再開するのを見守っていてください」と話していました。
小松さんが働いていた和菓子店副社長「大変お世話になりました」
小松政夫さんが高校生のころに住み込みで働いていた福岡市博多区の和菓子店の石村慎悟副社長は「とてもびっくりしています。2代目の社長にあたる祖父が小松さんをかわいがっていて、店の2階に住んで働いていました。上京したあとも気にしてくださっていて、福岡に来られたときは『元気にしとお?』と博多弁で話しかけてくださって励ましていただきました。大変お世話になりました」と話していました。
うどん店 店主「律儀な方でした」
福岡市博多区にある創業138年のうどん店、「かろのうろん」の店主、瓜生高康さんによりますと、小松さんは子どものころ、店の近くに住んでいて、瓜生さんの父親と幼なじみだったということです。
店内には、小松さんがうどんを食べる写真や瓜生さん親子と撮った写真、それに小松さんの似顔絵とともに代表的なギャグが印刷された手ぬぐいなどが飾られています。
小松さんが最後に店を訪れたのは去年の山笠の時期で、いつも好んで食べていた、ごぼうの天ぷらと魚のすり身の天ぷらが入った「ごぼうまる天うどん」を注文したということです。
瓜生さんは小松さんについて「父が亡くなったときも線香あげさせてくれと、黙って仏壇の前で涙を流してくれました。それ以来、ずっと来ていただいていて、律儀な方でした。ほんとうにさみしい気持ちでいまでも『帰ってきたよ』と現れる感じがします」と話していました。 (NHK WEB NEWS 2020年12月11日 23時05分)
sechin@nethome.ne.jp です。
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