昨日は土用の丑の日でした。ご存知の通り日本には古くから、土用の丑の日には鰻を食う風習がありましたが、最近では鰻の値段が騰がって一般庶民の口にするものではなくなってしまいました。最近はうなぎが減って2014年6月、ニホンウナギが国際自然保護連合の絶滅危惧種に掲載されたということです。
まあ、土用の丑の日に鰻を食う風習というのは「丑の日」に因んで、『う』から始まる食べ物を食べる風習があると言うことなので、昨夜の我が家の夕食は「饂飩」で我慢しました。
万葉集の第16巻の3853・3854に次のような歌があります。
原文: 石麻呂尓 吾物申 夏痩尓 <吉>跡云物曽 武奈伎取喫 作者: 大伴家持(おおとものやかもち)
よみ: 石麻呂(いはまろ)に、我(わ)れ物(もの)申(まを)す、夏痩(や)せによしといふものぞ、鰻(むなぎ)捕(と)り食(め)せ
意味: 石麻呂(いはまろ)さんに申し上げますよ。夏痩(や)せに良いそうですから鰻(うなぎ)を捕って食べてくださいな。
原文:痩々母 生有者将在乎 波多也波多 武奈伎乎漁取跡 河尓流勿 作者:大伴家持(おおとものやかもち)
よみ:痩(や)す痩すも、生(い)けらばあらむを、はたやはた、鰻(むなぎ)を捕ると、川に流るな
意味:痩せていても生きていられれば良いではありませんか。ひょっとして、鰻(うなぎ)を捕るために川に入って、流されたりしないようにね。
日本では奈良時代の『万葉集』に「武奈伎(むなぎ)」として見えるのが初出で、これがウナギの古称です。院政期頃になって「ウナギ」という語形が登場し、その後定着したといいます。そもそものムナギの語源には
①家屋の「棟木(むなぎ)」のように丸くて細長いから
②胸が黄色い「胸黄(むなぎ)」から
③料理の際に胸を開く「むなびらき」から
など、いくつかの説がありますが、いずれも民間語源の域を出ません。
ウェブニュースより
ウナギ、完全養殖で救え 孵化は成功、ただし値段は… ―― 絶滅の恐れがあるとして、ニホンウナギが国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストに載ってから初の「土用の丑(うし)の日」を29日に迎える。日本の食文化にも欠かせない希少生物の保護や増殖に取り組む最前線の現場を訪ねた。/青い光に包まれたひんやりした実験室の水槽で、ニホンウナギの幼生がゆらゆら。孵化(ふか)したばかりで体長は数センチだが、サメの卵などを食べて体長5~6センチ、親と同じ形の稚魚(シラスウナギ)に育つ。三重県にある水産総合研究センター増養殖研究所。4年前、人工授精から育ったウナギが卵を産み、孵化する「完全養殖」に世界で初めて成功した。/ニホンウナギは日本から約2千キロ離れた太平洋で産卵し、川で5~10年ほど生きるが、海での暮らしはよくわかっていない。漁獲量が不安定な天然の稚魚を使わない完全養殖は夢の技術だ。昨年度は約400匹が稚魚まで育った。研究の第一人者、田中秀樹・ウナギ量産研究グループ長は「水槽さえ増やせば人工授精から育った稚魚の出荷は今でもできる」と言う。/ただ、値段は天然の数十倍。親ウナギはホルモンを与えないと卵を産むまで成熟しない上、生まれて稚魚になるまで長くて700日と手間がかかる。稚魚に育つ生存率も1割以下だ。/それでも4年間で餌やホルモンの開発が進み、研究の舞台も「実験室」から「工場」に移りつつある。今年2月、静岡県にある千リットルの大型水槽で稚魚の飼育に成功したと発表。生存率は実験室よりさらに低い1%ほどだが、今も300匹余りが育つ。今後、民間の技術協力で水槽を増やす。/ 「研究すればするほど稚魚を大量に飼う難しさが分かってきた」と話す田中さん。天然の稚魚を守るためにも、将来、養殖に使う稚魚の一部を人工生産で補うことを目指している。
■なぜか、雄が9割:稚魚から養殖すると、ほとんどが雄になる――。その謎の解明に取り組むのは、愛知県水産試験場・内水面漁業研究所だ。/ウナギは生まれた時に雌雄の別はなく、50グラム前後に成長した時に決まるとされる。研究所によると、養殖で育てると9割以上が雄になる。稚魚を養殖池に入れた後に雄に偏るとみられ、天然ウナギと極端な違いがある。/養殖は成長を促すために高い水温で育てるほか、養殖池は自然界より個体数の密度が高い。冨山実主任研究員(57)は「養殖だと密度が高く、個体数を調整するために雄が多くなるのではないか」とみる。/研究所は今春から、養殖ウナギの雌雄が決まる条件を調べている。餌の量を変えたり、ストレス軽減のために隠れ場所を用意したりと、条件の異なる四つの水槽で800匹を養殖。「雌を増やして放流し、将来の資源回復につなげたい」と冨山さんは話す。
■漁獲量5分の1:水産庁によると、国内で昨年とれたニホンウナギの稚魚は過去最低の5.2トンで、取引価格は1キロ248万円。10年間で漁獲量は約5分の1に減り、価格は15・5倍に跳ね上がった。今年の漁獲量は昨年の約3倍の16.0トンになり、価格も1キロ92万円に下がった。不漁傾向に変わりはないが、一部でかば焼きの値段が1~2割ほど下がっている。
水産庁は不漁の原因として、乱獲や産卵前のウナギが生息する川の環境悪化などを挙げる。環境省は15日、ニホンウナギの生息環境を調べる調査を神奈川県内の川から始めた。水産庁も養殖業者を許可制にして生産量を規制する方針だ。鹿児島県など5県では水産庁の指導で、川から海へ産卵に向かうウナギの漁などを一定期間禁止している。/地道な環境改善の動きもある。茨城県の認定NPO法人「アサザ基金」は、霞ケ浦周辺で子どもたちと無農薬米を育てたり、コンクリートの側溝を改修してウナギのすみかを造ったり。2011年までの50年間に漁獲量が約50分の1になったウナギ一大産地の復活が目標だ。ウナギを呼び戻すためには水門を開ける必要があり、17日に県知事に要望書も出した。飯島博代表理事は「ウナギが自然のつながりの中で生きていることを広めたい」。 (朝日新聞 2014年7月28日10時13分)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140729/k10013363291000.html
夕べは隅田川の花火大会でした。我が家の猫の額の屋上にも50人以上の人が詰め掛け賑わいました。例年ですと、デジカメを持ち込んで写真撮影するところですが、今年ははや屋上までの上がり降りだけで、足が痛みカメラの持ち込みも忘れてしまいました。花火大会終了後我が家の仕事部屋でTakaya氏一家と午後10時近くまで飲んでいました。
今朝のウェブニュースより
隅田川花火大会 2万発が夏の夜空に ―― 東京・下町の夏の風物詩「隅田川花火大会」が26日夜開かれ、合わせて2万発の花火が夏の夜空を彩りました。/「隅田川花火大会」は、江戸時代から歴史が続く全国でも最大規模の花火大会として知られ、37回目を迎えることしは、26日の夜7時すぎから始まりました。/会場には90万人を超える見物客が集まり、隅田川に浮かべられた4隻の船の上から色とりどりの花火が打ち上げられるたびに、大きな歓声が上がっていました。/ことしは、毎年恒例となっている全国の10の花火業者によるコンクールのほか、6年後に東京オリンピック・パラリンピックが開催されることを記念して五輪をイメージした花火などが打ち上げられました。/26日の夜は合わせて2万発の花火が夏の夜空を彩り、家族連れや浴衣姿の若者たちが楽しんでいました。/神奈川県から家族と訪れた50代の男性は、「花火を見るために長い時間並んで疲れましたが、迫力があり感動しました」と話していました。 (NHK WEB 7月26日 21時00分)
http://www3.nhk.or.jp/news/hml/20140726/k10013317811000.html
昨夜、寝入りばなに篠山にいる姪のchisato君からメールが入りました。曰く、
7月23日22時10分受信 FW:びっくり! ミシュランガイド福岡が出たとのことで、何気なくネットで見ていたら、なんと岡崎が☆でした。ミシュランなるもの、あまり信じてなかったけど(どの範囲まで調査するのか)、見直しました。
そのせいか、他のグルメサイトでも、高評価。地道にやっていらしたんでしょうね。
明伯父さん、昌子伯母さんがいたら本当に喜んだことでしょう。
小さいころ、贅沢にフグ食べさせて頂いたのも遠い思い出です。でも、ちょっと嬉しかったので。以上、お知らせまで。 〓from chisato〓
ミシュランガイドとはレストランの評価を星の数で表すことで知られるレストラン・ホテルガイドでそうで、これは装丁が赤色であることからレッド・ミシュランとも通称されるといいます。日米欧各国にさまざまな地域版があり、合計で年間約100万部が販売されているといいます。近年ヨーロッパにおける本書の影響力は低下しており、代わってアメリカ合衆国や日本といった新市場に積極的に展開しているのだそうです。
星の数は次のような意味を持つといわれます。
☆ (1つ星) - その分野で特に美味しい料理
☆☆ (2つ星) - 極めて美味であり遠回りをしてでも訪れる価値がある料理
☆☆☆(3つ星) - それを味わうために旅行する価値がある卓越した料理
ミシュランガイドでは、星印が付かなくとも掲載されていること自体で一定の評価を得ていることを意味するといわれています。
北九州の門司港にある料亭岡崎はこの爺の長兄である明(あきら)の愛妻の実家であり、2人とも既に鬼籍にあるものですが、爺も帰郷の折にはこの料亭岡崎に連れて行かれご馳走になったものです。
今朝のウェブニュースより
期限切れ肉:日本に5956トン 全量マックとファミマ ―― 中国の米国系食品加工会社「上海福喜食品」が加工品に期限切れの鶏肉などを混ぜていた問題で、厚生労働省は23日、上海福喜から日本国内への輸入量は今月21日までの1年間に計5956トンだったと明らかにした。輸入業者への聞き取りではファミリーマートに約180トン、日本マクドナルドに残り全量が納められ、流通先はこの2社に限られるという。/菅義偉官房長官は23日午前の記者会見で、「問題のある食品が国内に入ることがないように検査態勢を強化し、国民の食の安全のための対策を講じていく」と述べ、対応に万全を期す考えを示した。菅氏はまた、「問題のある製造業者から輸入届等が出された場合は、貨物を保留するよう指示している」と説明した。/厚労省によると、多くの中国の食品加工会社は国内向けと輸出向けの製品で、ラインや製造時間を分けて生産している。2008年の中国製冷凍ギョーザ事件以降、中国政府が輸出向けの検査を厳しくしてきたためで、国内向けの製品と混ざる可能性は少ない。厚労省は、期限切れの肉を混ぜたものが輸出向けの製品に含まれていたのか中国大使館を通じて中国当局に確認を求めている。/その上で中国から回答があるまでの措置として、空港や港にある全国32カ所の検疫所に対し上海福喜の製品の輸入を差し止めるよう指示。輸入業者はその間、陸揚げせず倉庫などで製品を保管することになる。/一方、日本マクドナルドは23日、一部店舗で中止していたチキンマックナゲットの販売を全店舗で再開した。ナゲットの2割が上海福喜食品製で、21日から最大約500店舗で販売を中止。タイや中国の別会社の工場で作ったナゲットを22日中に販売中止店舗に納品した。/ファミリーマートは、上海福喜食品から仕入れたガーリックナゲットとポップコーンチキンの販売を22日から中止しており、販売再開の予定はないという。
◇上海福喜食品…米大手子会社 従業員500人 上海福喜食品は米食肉加工大手OSIグループの中国子会社。1996年に上海市に設立され、従業員約500人。外食チェーン向け肉製品などを製造する。 (毎日新聞 2014年07月23日 21時06分〈最終更新 07月24日 00時36分〉)
7.エウリュノーメー
エウリュノーメーはオーケアノスとテーテュースの娘で、ゼウスとの間にカリス、また一説に河神アーソーポスを生んだといいます。ロドスのApollōnios (アポローニオス、BC3世紀初期~BC246年以降、叙事詩人、学者、アレクサンドリア図書館長)によると、エウリュノメーは蛇神オピーオーンの妻で、オリュンポスの最初の支配者であったといいます。しかしオピーオーンがクロノスとの力比べに負けたとき、オピーオーンとエウリュノメーはクロノスとレアーに王権を譲り、海の中に姿を消したといいます。その後エウリュノメーはヘーラーがヘーパイストスを海に投げ捨てたとき、テティスとともにヘーパイストスを匿(かくま)ったといいます。アルカディアのピガリアーにはエウリュノメーの聖域があり、年に一度の祭礼のときだけ閉ざされていた聖域は人々に解放されました。聖域にはエウリュノメーの神像があり、上半身は女性、下半身は魚の姿をしており、金の鎖で縛られていたといいます。
イギリスの詩人Robert Graves(ロバート・グレーヴス、1895~1985年、イギリスの詩人、小説家、評論家)は独自に再構築した原ギリシアの創造神話を「ペラスゴイ人の創世神話」として紹介していまいが、そこではエウリュノメーは創造神とされています。カオスの中に最初に裸で存在したエウリュノメーは、空と海を分離してから波の中で踊り狂い、その動きから北風を発生させました。続いて北風を両手で捕まえ、激しくこすり伸ばしてオピーオーンを生み出し、その後も体を温める為に踊り続けましたが、欲情したオピーオーンと交わって身籠り、鳩に姿を変えて波の上に宇宙卵を産んだといいます。卵は孵化して太陽・月・水星・金星・火星・木星・土星を初めとする無数の星々と美しい自然と生物たちに満ちた大地が生まれ、2人はオリュンポス山に移ったというものです。しかし卵を孵化させて慢心したオピーオーンが、自分こそが宇宙の創造者であると主張したのでエウリュノメーはオピーオーンを踏み付け、牙を蹴り折って地下深くの洞窟に追放しました。その後、太陽と月、及び5つの惑星に神秘の力を生み与え、光明を司る太陽にテイアーとヒュペリーオーンを、魅惑を司る月にポイベーとアトラースを、知恵を司る水星にメーティスとコイオスを、愛を司る金星にテーテュースとオーケアノスを、生長を司る火星にディオーネーとクレイオスを、掟を司る木星にテミスとエウリュメドーンを配置し、平和を司る土星にクロノスとレアーを配置するといった具合に、男女の巨人であるティーターンとティターニアをそれぞれの惑星に配置したというものです。その後、アルカディアの土から最初の人間であるペラスゴスが生まれたといいます。
8.ムネーモシュネー
ムネーモシュネーはギリシア神話に登場する記憶を神格化した女神であります。
ウーラノスとガイアの娘で、ティーターン族の一人であり、オーケアノス、コイオス、クレイオス、ヒュペリーオーン、イーアペトス、クロノス、テイアー、レアー、テミス、ポイベー、テーテュースと兄弟です。
ゼウスとの間に9人のムーサ(ミューズ)たちを生みました。
9柱それぞれの名前と司る分野は以下の通りです。( )内は、名前の意味と分野を示します。
カリオペー(美声、叙事詩)、クレイオー(讃美する女、歴史)、エウテルペー(喜ばしい女、抒情詩)、タレイア(豊かさ、喜劇・牧歌)、メルポメネー(女性歌手、悲劇・挽歌)、テルプシコラー(踊りの楽しみ、合唱・舞踊)、エラトーエラトー(愛らしい女、独唱歌)、ポリュムニアー(多くの讃歌、讃歌・物語)、ウーラニアー(天上の女、天文)
ヘーシオドスの『神統記』によると、ムネーモシュネーはエレウテールの丘の主で、Pieria(ピーエリア)においてゼウスと9日間に渡って添い臥し、人々から苦しみを忘れさせる存在として9人のムーサたちを産んだといわれています。
ムネーモシュネーは名前をつけることを始めたとされ、また学問の道を究めるときにはムネーモシュネーとムーサたちに祈願されたといます。
5.ヘーラー
神話ではクロノスとレアーの娘で、ゼウスの姉に当たります。ティーターノマキアーの間オーケアノスとテーテュースがヘーラーを預かって、世界の果てで養育したといいます。もっとも養育したのは他の神であるとの伝承もあります。ヘーシオドスによればヘーラーはゼウスが三番目に兄弟姉妹婚した正妻であるといいます。その婚礼の場には諸伝があります。ヘーラーとゼウスの婚礼は「聖なる婚姻」としてギリシア各地で行われました。ゼウスとの間に、アレース、エイレイテュイア、ヘーベーをもうけました。ヘーパイストスはヘーラーの子でありますが、ゼウスとの間の子か、ヘーラーが一人でもうけた子かについては異伝があります。
オリュンポス十二神の一柱である。オリュンポス十二神の中でも情報収集能力に優れた描写が多く、夫ゼウスの浮気を迅速に察知するなど高い監視能力を発揮します。ギリシア神話に登場する男神は総じて女性にだらしがなく、夫であるゼウスはその代表格であります。そのため、結婚の守護神でもあるヘーラーは、嫉妬心が深く、彼の愛人(セメレー、レートー、イーノー、カリストーとヘーラーに仕える巫女・イーオーなど)やその間に生まれた子供(ディオニューソス、ヘーラクレースなど)に復讐する残酷な女神として描かれています。頭に血が上ると自分の子孫にも容赦の無い一面も持ち、ゼウスの愛人になった曾孫セメレーに人間が直視すると致命的な危険があるゼウスの真の姿を見たがるように仕向けたり、ヘーラクレースに惚れ込んで黄金の帯を譲る約束をした孫のヒッポリュテーの部下を煽動してヘーラクレース一行を襲わせ、最終的には潔白を示すため無抵抗のまま弁明を試みるヒッポリュテーをヘーラクレースに殺させたり、と自分の手を汚さずに両人に悲惨な最期を遂げさせています。しかし、ヘーラー自身は貞淑であるとされています。
最も特殊な異伝は『ホメーロス風讃歌』の中の「アポローン讃歌」でしょう。ゼウスが女神アテーナーをひとりで生み出したことや、彼女の産んだヘーパイストスがアテーナーに見劣りすることに腹を立てて、ティーターン神族の助けを借りて単性でテューポーンを産んだとされています。
ヘーラーの母乳は飲んだ人間の肉体を強化し不死身にする力があり、ヘーラクレースもこれを飲んだため乳児時代から驚異的な怪力を発揮することが出来たといいます。また、この時へーラクレースの母乳を吸う力があまりにも強かった為、へーラーはヘーラクレースを突き飛ばし、その際に飛び散ったへーラーの母乳が天の川になったともつたえられています。なお、ヘーラクレースは、ヘーラーの子ではありませんか「ヘーラーの栄光」と言う意味の名を持つといわれています。
トロイア戦争ではアテーナーと組んでギリシア側に味方します。ギリシア側の英雄を助けて戦い、アテーナーと力を合わせ、敵対したアプロディーテーの情人で、自らの息子の戦を司る神・アレースを撃退します。また、意外と腕っぷしも強く、トロイアを支援したアルテミスを素手で打ちのめす逸話もあります。
毎年春になるとナウプリアのカナートスの泉で沐浴し、処女性を取り戻すともいわれています。
6.テミス
ギリシア神話においては、ティーターンとオリュンポス神の戦いの後、敗れたティーターンは主要な神の地位を失い、神話においても多くの神が言及されなくなり、また地位が低下しています。オリュンポスの時代になって、なおその地位と威勢を変わりなく維持した神はテミスだけであります。
ヘーシオドスの『神統記』によると、ゼウスは二番目の妻としてテミスを娶り、二人のあいだには、エウノミアー(秩序)、ディケー(正義)、エイレーネー(平和)のホーライの三女神が生まれ、更に、クロートー、ラケシス、アトロポスのモイライの三女神が生まれたといいます。
ヘーラクレースの第11番目の課題は、ヘスペリデースの黄金の林檎を獲得することでありました。Apollodoros(アポロドーロス、『Bibliotheca(ビブリオテーケー、ギリシャ神話)』の編纂者として知られる。1世紀から2世紀頃の人物)によると、ヘスペリデースの園を知る海神ネーレウスの居場所をヘーラクレースに教えたニュンペーたちは、ゼウスとテミスの間の娘であったといいます。またAischylos(アイスキュロス,BC525~456年、古代アテナイの三大悲劇詩人のひとりであり、アッティカ悲劇の確立者)によれば、プロメーテウスはテミスの子であるといいます。
ゼウスは「青銅の時代」の人間たちが暴乱の様をつのらせたのを知り、大洪水を起こして彼らを滅ぼす計画を立てます。こうしてほとんどすべての人間は滅ぼされますが、プロメーテウスの息子デウカリオーンとその妻ピュラーは、大洪水の起こることをあらかじめに父より教えられていましたので、箱船を造り洪水の難を逃れました。人間が滅び、一組の正しい男女だけが生き延びたことを知ったゼウスは、大洪水を終焉させます。二人が乗った箱船は、九日九夜、水の上を彷徨った後、パルナッソスの二つの高峰近くに止まりました。天候の回復を知ったデウカリオーンは船より降り、ゼウスに犠牲を献げ、デルポイに託宣所を持っていたテミス女神にも感謝の祈りを捧げました。二人は人間がすべて滅び消えたことを知り、テミス女神に祈って、人間の種族を再び回復させる方法を尋ねました。テミスは二人の問いに答え、「爾らの大いなる母の骨を歩を進めつつ背後に投げよ」と教えるのです。二人は、地上の岩の塊(大いなる母の骨)を歩みつつ背後に投げるとそこから新しい人間の種族が生まれ出たといいます。3.レートー
ティーターン神族のコイオスとポイベーの娘で、アステリアーと姉妹です。ポーロスとポイベーの娘という説もあります。ゼウスの子アポローン、アルテミスを生みました。レートーは黒衣をまとい、神々のうちで最も柔和な女神といわれています。鶉に変身したゼウスとの間に子アポローンとアルテミスを生んだが、そのためヘーラーの激しい嫉妬をかったとされています。
アポローンとアルテミスの出産の経緯については諸説があります。ヘーラーはレートーがゼウスの子を身ごもると、すべての土地にレートーに出産する場所を与えてはならないと命じ、イーリスとアレースに土地が命令に背かないように監視させました。あるいは太陽が一度でも照らしたことがある場所で出産してはならないと命じ、さらに蛇のピュートーンがレートーを追い回しました。というのは予言によって、レートーの産む子が自分を殺害すると知っていたからであるといいます。このためレートーは出産できる土地を求めて放浪しなければならなかったのです。またヘーラーの命令によってティテュオスという巨人も彼女を襲いましたが、ゼウスによって殺されたといいます。より特殊な説では、レートーは牝狼の姿となってヒュペルボレオイの国からやって来て出産したといいます。
ある時レートーはリュキアに立ち寄り、池の水を飲もうとすると、そこの村人たちがそれを止めようとしました。レートーは反論しますが、村人たちは池に足を入れて泥を立たせ、水を飲ませまいとしました。怒ったレートーは「この者たちがこの池から永遠に離れず、生涯をここで過ごすように」と願ったのです。すると村人たちは蛙になり、泥沼に変わった池に住むようになったと伝えられています。
このような苦難に耐えて、まずオルテュギアー島でアルテミスを産み、さらにアルテミスに手を引かれてデーロス島に渡りアポローンを産んだといいます。アルテミスはそのとき助産婦としてレートーを助けました。より新しい神話ではアポローンとアルテミスはデーロス島で生まれたとされ、その場合、オルテュギアー島とデーロス島は同一視されています。Hyginus(ヒュギーヌス、BC64~AD17、ラテン語の著作家)はレートーをデーロス島に連れて行ったのはゼウスの命を受けた北風ボレアースで、ポセイドーンが彼女を保護し、ポセイドーンはヘーラーの言葉に違反しないように、デーロス島を波で覆ったといいます。
こうしてレートーはデーロス島のキュントス山に背もたれして、シュロの木(オリーブとも)のそばでアポローンを出産しました。ヘーラーがエイレイテュイアを引き止めていたために、9日9晩にも及ぶ難産だったといいます。それを見かねたイーリスがエイレイテュイアを連れて来た事により、出産は成功したといいます。この出産にはディオーネー、レアー、テミス、アムピトリーテーなどの女神が立会い、アポローンが生まれると彼女らは歓声を上げ、大地は微笑み、天空には白鳥がめぐったといいます。アルテミスは出産時、母に苦痛を与えなかったので、産褥に苦しむ女性の守護神となりました。アポローンは生まれるとピュートーンを殺したとも、ヒュペルボレオイの地に運ばれたともいわれています。デロスはレートーの身悶えによって海底に根を張ったとも、海底から4本の柱が延びてきて支えられたとも伝えられています。
4.デーメーテール
クロノスとレアーの娘で、ゼウスの姉にあたる。ゼウスとの間に娘コレー(後の冥府の王妃ペルセポネー)をもうけましたたが、その経緯はゼウスがデーメーテールに無理やり迫った挙句、無理やり子供を作らされた為、ゼウスにあまり良い印象を持っていなかったようです(ただし子供であるペルセポネーには愛情を注いでいた)。さらに兄弟の海神ポセイドーンからも無理強いされ、秘儀の女神デスポイアと1頭の名馬アレイオーン(アリーオーン)を生んでいます。最も有名な恋人のイーアシオーンはゼウスの嫉妬によって稲妻に撃たれたといいます。
普段は温厚だが怒ると飢餓をもたらすため、ゼウスも一目置いています。テッサリアの王エリュシクトーンが屋敷を増築するため、デーメーテールの聖地である森の木を根こそぎ伐採したときには、彼の下へ「飢餓」を遣わしてエリュシクトーンをいくら食べても満たされないようにし、最終的にはエリュシクトーンが自身の体を貪り食う形で死に追いやったといいます。だが、彼の娘であるムネーストラーには同情し、恩恵を施したといわれています。
デーメーテールの娘コレー(ペルセポネー)は、行方が分からなくなります。何か悪いことに巻き込まれたのではないかと考えたデーメーテールは、犯罪に詳しい神と言われるヘカテーに問い掛けます。ヘカテーは「ペルセポネーはハーデースに冥界に連れ去られた」と答えました。女神は、ハーデースがペルセポネーを誘拐した事を知ったのです。しかし、ゼウス達他の兄弟と違い純真で心優しい性格であるハーデースがそんなことをするはずがないと考えたデーメーテールは、地上の事は何でも知っているとされるヘーリオスに確認を求めるのでした。ヘーリオスは、「ゼウスが、ペルセポネーを后に迎えたいと言ったハーデースを唆(そそのか)し拉致させた」と女神に教えました。デーメーテールはゼウスがこの誘拐に加担したことを知ったのです。デーメーテールはゼウスに抗議しますが、ゼウスは「冥界の王であるハーデースならば夫として不釣合いではないだろう」と言い訳するのでした。デーメーテールはこれに激怒し、天界を捨て老女に変身しアッティカのエレウシースに下ったといいます。この放浪の間のデーメーテールの行動についての伝説が各所に残されているといいます。デーメーテールが地を放浪する間、大地は荒廃した。ゼウスは虹の女神イーリスを遣わしデーメーテールを説得しましたが、女神は怒りを解かず、コレー(ペルセポネー)の帰還を求め、それを条件として大地の豊穣神としての管掌を果たすことを答えたのでした。
ゼウスはハーデースに女神の意向を伝え、ペルセポネーを地上に帰還させました。ペルセポネーの帰還はデーメーテールに喜びをもたらし、それによって大地は再び豊穣と実りを取り戻したといいます。これは穀物が地下に播かれ、再び芽吹いて現れることを象徴する神話とされています。
ペルセポネーは地上に帰還しましたが、冥府においてザクロの実を幾つか口にしてしまったのです。冥府の食物を食べたものは、冥府の住民となる定めがあったのですが、デーメーテールはこれにも抗議しました。ペルセポネーがどのような経緯で冥府の食物を食べたのか、自発的にか、ハーデースなどの策略によってか諸説があるあります。ザクロを食べた説でも、何粒食べたかについて、複数の説があります。
オリュンポスの秩序は守らねばなりませんが、デーメーテールの抗議も考慮せねばならないとして、ゼウスあるいは神々は、1年(12ヶ月)を食べてしまったザクロの実の数(4粒又は6粒)で割り、1/3(又は1/2)を冥府で、残りをデーメーテールの元で暮らすことで決着を付けました。デーメーテールはペルセポネーがハーデースの元で暮らしている間は実りを齎すのをやめるようになったのだといいます。これは季節・四季の起源譚(ばなし)であります。
Ovidius(オウィディウス、BC43~AD17、ローマの詩人)やApollodoros(アポロドーロス、2世紀後半頃のアテーナイの著述家)の主張によると、ペルセポネーがザクロを食べたことが明らかになったのは冥府の庭園の庭師アスカラポスの告げ口が原因であるといいます。これを恨んだデーメーテールは冥府の入り口付近でアスカラポスの上に巨岩を置いたといいます。アスカラポスはヘーラクレースによって助けられましたが、デーメーテールは彼をフクロウに変えてしまったといわれています。
アルカディアに伝わる神話では、デーメーテールは娘を捜して地上を放浪していた際、ポセイドーンに迫られます。デーメーテールは彼を避けて牝馬の姿となり、オンコス王の馬群の中に紛れ込みました。しかしポセイドーンは彼女を発見し、自分も牡馬の姿となって女神と交わりました。この結果、デーメーテールは一人の娘と名馬アレイオーンを生みました。娘の名はデスポイナと呼ばれますが、これは単に「女主人」の意に過ぎず、実際の名は密儀の参加者以外には明らかにされていません。この時のポセイドーンに対するデーメーテールの怒りはすさまじく、怒りの女神エリーニュースと呼ばれたほどでありました。風光明媚で名高いラードーン川の流れで沐浴するまで女神の怒りは続いたとされます。1.メーティス
オーケアノスとテーテュースの娘オーケアニデスの1人であり、ティーターン神族に数えられています。ゼウスの最初の妻であり、アテーナーの母であるとされています。
ティーターン神族の末弟クロノスは母ガイアの命を受けて父であるウーラノスを倒し、神々の王となりました。しかし、その際にウーラノスによって自身も同様に子に倒されるという予言を受け、子が生まれるたびにそれを飲み込んでしまいました。クロノスの妻レアーはそれを悲しみ、ガイアに相談して闇夜の外で末子ゼウスを産み、石をゼウスと偽って持ち帰り、それをクロノスに飲み込ませたためにゼウスは助かります。ゼウスはクレタ島で育てられ、成人すると母レアーと知恵の女神メーティスと共に、食べられた兄姉たちの仇を打つことにしました。ゼウスはメーティスに命じ、メーティスは自分の作った嘔吐薬をネクタル(神酒)に混ぜてクロノスに飲ますことに成功しました。クロノスはまずゼウスと偽られて飲み込んだ石を吐き出し、続いてポセイドーン、ハーデース、ヘーラー、デーメーテール、ヘスティアと、飲み込んだ際とは逆の順で彼らを吐き出したのです。ただし、一説によればメーティスは関与しておらず、ゼウス自身がクロノスの背中をたたき吐き出させたといわれています。
そして、ゼウスは吐き出された兄姉たちと力を合わせ、クロノスを始めとするティーターンとの戦いティーターノマキアーに勝利しました。この戦いにはティーターン神族の長兄であるメーティスの父オーケアノスは参加しなかったといいます。
その後、神々の王となったゼウスはメーティスを妻として迎え入れました。一説によればメーティスはゼウスの妻ではなく、ゼウスから逃げ回った末に子を身ごもったとされています。このことを知ったガイアとウーラノスは、メーティスの子はゼウスよりも聡明で剛毅であり、もし男児であったらゼウスの地位を脅かすであろうと予言するのでした。そのため、ゼウスは祖父ウーラノスや父クロノスのように子に権力を奪われることを恐れ、用心のために父クロノスのようにメーティスを飲み込んでしまいます。一説では飲み込まれる際にメーティスは様々な姿に化けて逃れたものの、蠅に変身したところを飲み込まれてしまったともいわれています。このことでメーティスとゼウスは同化し、ゼウスは知恵の神としても信仰されるようになったのだといわれています。
しかし時はすでに遅く、メーティスはすでに懐妊しており、胎児はゼウスの頭部へ移って生きていたといわれます。さらにメーティスは胎児のために甲冑を作り、その行為がゼウスに激しい頭痛をもたらしました。やがて子が生まれる月になると、ゼウスは痛みに耐えかね、リビアのトリートーニス湖のほとりでプロメーテウスやヘーパイストス、ヘルメースなどに相談し、ヘパイストスに斧で頭を叩き割るように命じました。すると、中からすでに成人し、甲冑で完全に武装した女神が飛び出したのです。これがアテーナーであったのです。
この後、メーティスはゼウスの体内で善悪を予言するようになったといいます。
2.ディオーネ
ディオーネーは、ウーラノスとガイアの娘で、ティーターンの一柱です。一説によるとティーターンは14人おり、ディオーネーはポルキュースとともにティーターンに加えられています。しかしオーケアノスの娘とも、ネーレウスの娘ともいわれ、ゼウスとの間にアプロディーテーをもうけたとされます。
神話によるとディオーネーはレアー、テミス、アムピトリーテーとともにレートーのアポローン出産に立ち会ったといわれます。またトロイア戦争で娘のアプロディーテーがディオメーデースに傷つけられたとき、ディオーネーはアプロディーテーをなぐさめ、アレースがアローアダイに苦しめられた話や、ヘーラーやハーデースがヘーラクレースに傷つけられた話を語ったといいます。
エーペイロスのドードーナの神託所では、ディオーネーはゼウスとともに祭祀され、ディオーネーの女祭司たちとゼウスの祭司たちが神託を司った。ここにはゼウスに捧げられた1本の樫があり、ディオーネーの女祭司は樫の葉が揺れるのを見て神託を下したとされています。ちなみにドードーナの神託の記述は『オデュッセイア』に見られます。またドードーナの発掘によって人々がディオーネーとゼウスへの質問を鉛片に刻んで神託を伺ったことも判明しています。
ゼウスはギリシア神界の最高神です。その名は純粋に印欧語源で、《天》、《昼》、《光》を意味します。
しかし同じ天空神のウラノスとは異なり、種々の気象学的現象(雨、嵐、雷等)の生ずる空の神でした。神話ではゼウスはティターンのクロノスとレアの子となっています。
クロノスとレアの二人の間にはヘスティア、デメテル、ヘラ、ハデス、ポセイドンと次々に子が生まれましたが、ガイアとウラノスが予言して、クロノスは自分自身の子によって支配権を奪われることを知ったので、生まれた子を次々に呑み込んでしまいました。
これを不満に思ったレアは最後にゼウスを生んだ時、石を産着にくるんで生まれた子供のように見せかけ、クロノスに呑み込むように与えたのです。そして、レアはクレーテスたち及びニンフのアドラステイアとイーデにゼウスを育てるように命じ、ニンフと牝山羊のアマルテイアが乳を与え、クレーテスたちは武装して洞穴中で守備にあたり、クロノスが子供の泣き声を聞かないように、槍で楯を打ち鳴らしたといいます。
ゼウスは成長すると、オケアノスの娘メティス《智》を協力者とし、彼女から貰った薬をクロノスに飲ますと、クロノスは呑み込んだ子供を吐き出しました。
兄弟たちはティターンたちと戦いました。十年後ガイアはゼウスにタルタロスに投入された者を味方にすれば、勝利を得ると予言しましたので、番人のカムペーを殺して、キュクロプスたちを解放しました。
彼らはゼウスに電光と雷霆を、ハデスにはかくれ帽を、ポセイドンには三叉の戟を与えました。神々はこれらの武器でティターン族を征服して、タルタロスに幽閉し、へカトンケイルたちを牢番にし、籤によって、ゼウスは空、ポセイドンは海、ハデスは冥府の支配権を手にしたのです。
ゼウスは多くの女神や人間の女と交わって多くの子供を得ました。
彼は最初に、彼の近づくのを避けて様々に身を変じたメティスと交わりまたが、ガイアが彼女から生まれようとする娘のあとに一人の男の子がうまれ、その子は支配者となると予言しましたので、彼女が孕むと、メティスを呑み下してしまいます。メティスの子はゼウスの体内で成長し、誕生の時が来た時、プロメテウス(あるいはへパイストス)がゼウスの頭を斧でかち割ると、アテーナーが全身武装の姿で飛び出してきました。
ついでゼウスはウラノスの娘なるテミス《掟》と交わってホライ《季節》の女神たちと運命の女神モイラたちが生まれます。これらの娘は明らかに大神ゼウスの機能を抽象した擬人神であるといいます。
ゼウスとディオーネからアプロディテ、オケアノスの娘エウリュノメーからカリスの女神たち、ムネーモシュネ《記憶》より九人のムーサたち、レトからアポロンとアルテミス、姉のデメテル(またはステュクス)からペルセポネが生まれます。
ゼウスは正妻として姉妹のヘラを娶り、二人からへベ、エイレイテュイア、アレス、へーパイストスが生まれました。またヘルメスはゼウスとマイアの子であるとされます。
※火と鍛冶との神ヘーパイストスは、一般にヘーラーが一人で造ったことになっています。ヘーラーは夫神ゼウスが一人で以って所もあろうに頭からアテーナー女神を生み、大いに鍾愛しているので、嫉妬と腹立ちと自分の能力を軽んぜられた口惜しさから、彼女も1人ぐらい独りで子を造ることができるのを証拠立てようと、このヘーパイストスを産んだというのです。ただ残念なことに、彼女の一人っ子は跛足(びっこ)でしたが、なかなか器用で役に立ち、その上親切ものでもありました。
ゼウスがニンフ、人間の女との交わって出来た子供は次の通りであるといいます。
カリストからアルカディアの祖アルカス、アイギーナからアイアコス、エウロペからクレタのミノスとサルペドンとラダマンテュス、ニオベからアルゴスとペラスゴス、プルートからタンタロス、タユゲテーからラケダイモン、ダナエからペルセウス、アンティオペからアムピオンとゼトス、エレクトラからトロイア王家の祖ダルダノスとイアシオンとハルモニア、イオからエジプトのエパポス、アルクメネからヘラクレス、レダからヘレネとディオスクロイが生まれ、この他の人間の女たるセメレからディオニュソスが生まれています。
これらのヘラ以外の女神やニンフや人間の女とゼウスとの交わりから生じた子供をヘラが嫉妬からその母親とともに迫害した話が共通した話題となっているのです。
ホメロスの詩によればゼウスは神々とともにオリュンポス山頂に宮居を構えていました。ゼウスの聖獣は鷲、聖木は樫で、犠牲としては山羊、牡牛、牝牛が捧げられたといいます。
彼は鷲を従え、手に王笏、雷霆、ときに二ケー《勝利》の女神をもった姿で表わされ、オリュンピアのゼウスはオリーブの、ドードナのゼウスは樫の葉の冠を載いていることがあります。
ゼウスの崇拝の中心はオリュンピア、ドードナの二ヶ所で、ドードナでは彼は樫のささやきによって神託を下したといます。ローマではユピテルと同一視されています。ゼウスはギリシア神界の最高神です。その名は純粋に印欧語源で、《天》、《昼》、《光》を意味します。
しかし同じ天空神のウラノスとは異なり、種々の気象学的現象(雨、嵐、雷等)の生ずる空の神でした。神話ではゼウスはティターンのクロノスとレアの子となっています。
クロノスとレアの二人の間にはヘスティア、デメテル、ヘラ、ハデス、ポセイドンと次々に子が生まれましたが、ガイアとウラノスが予言して、クロノスは自分自身の子によって支配権を奪われることを知ったので、生まれた子を次々に呑み込んでしまいました。
これを不満に思ったレアは最後にゼウスを生んだ時、石を産着にくるんで生まれた子供のように見せかけ、クロノスに呑み込むように与えたのです。そして、レアはクレーテスたち及びニンフのアドラステイアとイーデにゼウスを育てるように命じ、ニンフと牝山羊のアマルテイアが乳を与え、クレーテスたちは武装して洞穴中で守備にあたり、クロノスが子供の泣き声を聞かないように、槍で楯を打ち鳴らしたといいます。
ゼウスは成長すると、オケアノスの娘メティス《智》を協力者とし、彼女から貰った薬をクロノスに飲ますと、クロノスは呑み込んだ子供を吐き出しました。
兄弟たちはティターンたちと戦いました。十年後ガイアはゼウスにタルタロスに投入された者を味方にすれば、勝利を得ると予言しましたので、番人のカムペーを殺して、キュクロプスたちを解放しました。
彼らはゼウスに電光と雷霆を、ハデスにはかくれ帽を、ポセイドンには三叉の戟を与えました。神々はこれらの武器でティターン族を征服して、タルタロスに幽閉し、へカトンケイルたちを牢番にし、籤によって、ゼウスは空、ポセイドンは海、ハデスは冥府の支配権を手にしたのです。
ゼウスは多くの女神や人間の女と交わって多くの子供を得ました。
彼は最初に、彼の近づくのを避けて様々に身を変じたメティスと交わりまたが、ガイアが彼女から生まれようとする娘のあとに一人の男の子がうまれ、その子は支配者となると予言しましたので、彼女が孕むと、メティスを呑み下してしまいます。メティスの子はゼウスの体内で成長し、誕生の時が来た時、プロメテウス(あるいはへパイストス)がゼウスの頭を斧でかち割ると、アテーナーが全身武装の姿で飛び出してきました。
ついでゼウスはウラノスの娘なるテミス《掟》と交わってホライ《季節》の女神たちと運命の女神モイラたちが生まれます。これらの娘は明らかに大神ゼウスの機能を抽象した擬人神であるといいます。
ゼウスとディオーネからアプロディテ、オケアノスの娘エウリュノメーからカリスの女神たち、ムネーモシュネ《記憶》より九人のムーサたち、レトからアポロンとアルテミス、姉のデメテル(またはステュクス)からペルセポネが生まれます。
ゼウスは正妻として姉妹のヘラを娶り、二人からへベ、エイレイテュイア、アレス、へーパイストスが生まれました。またヘルメスはゼウスとマイアの子であるとされます。
※火と鍛冶との神ヘーパイストスは、一般にヘーラーが一人で造ったことになっています。ヘーラーは夫神ゼウスが一人で以って所もあろうに頭からアテーナー女神を生み、大いに鍾愛しているので、嫉妬と腹立ちと自分の能力を軽んぜられた口惜しさから、彼女も1人ぐらい独りで子を造ることができるのを証拠立てようと、このヘーパイストスを産んだというのです。ただ残念なことに、彼女の一人っ子は跛足(びっこ)でしたが、なかなか器用で役に立ち、その上親切ものでもありました。
ゼウスがニンフ、人間の女との交わって出来た子供は次の通りであるといいます。
カリストからアルカディアの祖アルカス、アイギーナからアイアコス、エウロペからクレタのミノスとサルペドンとラダマンテュス、ニオベからアルゴスとペラスゴス、プルートからタンタロス、タユゲテーからラケダイモン、ダナエからペルセウス、アンティオペからアムピオンとゼトス、エレクトラからトロイア王家の祖ダルダノスとイアシオンとハルモニア、イオからエジプトのエパポス、アルクメネからヘラクレス、レダからヘレネとディオスクロイが生まれ、この他の人間の女たるセメレからディオニュソスが生まれています。
これらのヘラ以外の女神やニンフや人間の女とゼウスとの交わりから生じた子供をヘラが嫉妬からその母親とともに迫害した話が共通した話題となっているのです。
ホメロスの詩によればゼウスは神々とともにオリュンポス山頂に宮居を構えていました。ゼウスの聖獣は鷲、聖木は樫で、犠牲としては山羊、牡牛、牝牛が捧げられたといいます。
彼は鷲を従え、手に王笏、雷霆、ときに二ケー《勝利》の女神をもった姿で表わされ、オリュンピアのゼウスはオリーブの、ドードナのゼウスは樫の葉の冠を載いていることがあります。
ゼウスの崇拝の中心はオリュンピア、ドードナの二ヶ所で、ドードナでは彼は樫のささやきによって神託を下したといます。ローマではユピテルと同一視されています。 此処の所、腹具合も悪く、何と無く気分が勝れず、ブログも休みがちになっています。
今朝は午前4時前に起床、徘徊用の衣服に着替え、何時ものように準備体操をして、窓を開けて外を見ますと雨模様。室内で待つこと10分ほどで再び外を見ますと東の空は明るくなり、雨も止んだようなので、徘徊に出かけることにしました。
桜橋の上で、携帯が突然鳴り出し、開いてみるとエリアメールが入りました。曰く、
2014年7月12日4時22分着信 エリアメール 緊急地震速報 福島沖で地震発生。強い揺れに備えて下さい。(気象庁)
此処の所、雨のため、朝の徘徊は1日おきとなっています。ついつい距離を歩くのも億劫になり、徘徊時間も短めにして、吾妻橋を渡り、テラス沿いに桜橋の水上バス乗り場で、遊歩道に上がりました。野球場とテニスコートの間の道を下りながら、ふと西の空を望むと虹がかかっていましたので、携帯に納めました。
今朝のウェブニュースより
岩手、宮城、福島に津波=東北、関東で震度4 ―― 12日午前4時22分ごろ、福島県沖を震源とする地震があり、宮城、福島、茨城、栃木の各県で震度4の揺れを観測した。気象庁は同4時26分、岩手、宮城、福島の3県に津波注意報を発令、同5時すぎに宮城県石巻市鮎川と岩手県大船渡市で最大20センチ、福島県相馬市で10センチの津波を観測した。津波注意報は同6時15分に解除された。/原子力規制庁によると、東京電力福島第1原発など、福島、宮城、茨城各県にある原発や原子力関連施設から異常の報告はないという。/岩手県久慈市は沿岸部に避難指示を、大船渡市や宮城県東松島市なども避難勧告を出した。/気象庁によると、震源の深さは約10キロ。地震の規模(マグニチュード)は6.8と推定される。
主な各地の震度は次の通り。
震度4=宮城県岩沼市、川崎町、丸森町、福島県郡山市、田村市、いわき市、川俣町、猪苗代町、会津美里町、天栄村、茨城県常陸太田市、栃木県大田原市、市貝町、高根沢町
震度3=仙台市、福島市、水戸市、宇都宮市、盛岡市、山形県米沢市、群馬県桐生市、さいたま市、千葉市、東京都墨田区、横浜市、新潟県長岡市、山梨県忍野村、長野県南牧村。 [2014 年 7 月 12 日 06:34 JST 更新 時事通信社]
http://www.youtube.com/watch?v=oPKWkFp4mQg
sechin@nethome.ne.jp です。
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