瘋癲爺 拙痴无の戯言・放言・歯軋り
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松を詠める歌16
17-3890:我が背子を安我松原よ見わたせば海人娘子ども玉藻刈る見ゆ

三野石守(みのの いそもり、生没年不詳)
 奈良時代の官吏です。天平2 (730) 年大伴旅人が大宰府から都にもどるとき、別に海路をとった従者らの旅立ちの歌10首のうち1首に名がみえます(「万葉集」巻17)。ほかに巻8にも歌1首があります。
17-3899:海人娘子漁り焚く火のおぼほしく角の松原思ほゆる

◎風に吹かれてゆらゆら揺れている漁火を眺めているうちに、炎の中から幻想の如く妻の面影が浮かび上がってきました。「もうすぐ逢える!」と胸を躍らせている男。
 船旅でで、都努(つの)は西宮市松原町津門(つと)の海岸のことです(現在はありません)。「都努の松原」を「自分を待つ妻」に譬えています。「当時、この地は妻に見せたい景勝の地として詠われていたらしく、それが妻をさすようになった」のだそうです。

 巻17-3942:松の花花数にしも我が背子が思へらなくにもとな咲きつつ

※平群女郎(へぐりのいらつめ、生没年不詳)
 奈良時代の歌人です。大伴家持をめぐる女性たちのうちのひとりとおもわれます。天平18(746)以降、越中守であった家持におくった歌12首が「万葉集」巻17におさめられています。
17-4014:松反りしひにてあれかもさ山田の翁がその日に求めあはずけむ

◎左注に、「右射水郡古江村取獲蒼鷹 形<>美麗鷙雉秀群也 於時養吏山田史君麻呂調試失節野猟乖候 摶風之翅高翔匿雲 腐鼠之<>呼留靡驗 於是<>設羅網窺乎非常奉幣神祇恃乎不虞也 <>以夢裏有娘子喩曰 使君勿作苦念空費<><> 放逸彼鷹獲得未幾矣哉 須叟覺<>有悦於懐 因作却恨之歌式旌感信 守大伴宿祢家持 [九月廾六日作也]とあります。
[訓読]右、射水郡の古江村にして蒼鷹を取獲(と)る。形<>美麗にして雉(きぎし)を鷙(と)ること、群に秀(すぐ)れたり。時に養吏山田史君麻呂、調試節を失ひ、野猟候(とき)に乖(そむ)く。摶風(はくふう)の翅(つばさ)は、高く翔(かけ)りて雲に匿(かく)り、腐鼠(ふそ)の<>も呼び留むるに驗(しるし)靡(な)し。是に羅網(らもう)を<>り設(ま)けて、非常を窺(うかが)ひ、神祇に奉幣して不虞(ふぐ)を恃(たの)む。<>(ここ)に夢の裏に娘子有り。喩して曰く、使君、苦念を作して空しく<><>を費やすこと忽れ。 放逸せる彼(そ)の鷹は獲り得むこと幾だもあらじといふ。 須叟にして覺(おどろ)き<>(さ)め、懐(こころ)に悦(よろこ)び有り。因りて恨(うらみ)を却(のぞ)く歌を作り、式(もち)て感信を旌(あらは)す。守大伴宿祢家持
 大意は、「右は、射水郡の古江村で青鷹を捕まえた。姿形は美しく、雉を捕ることは抜群であった。時に鷹飼の山田史君麻呂が、訓練する時を間違え、猟をする時節をはずした。風を打つ翼は空高く飛翔して雲に隠れてしまった。腐鼠の餌も呼び戻すことにはなんの甲斐もない。そこで鳥網を張り設けて、万が一にも懸かるかと窺い、神々に幣帛を奉って奇跡を祈っていた。ここに夢の中に娘子が出てきた。諭して言うのに「国の守よ。心を苦しめて思い悩むことはない。逃げていったその鷹は捕獲することはそう長くはないと言う。しばらくして目が覚めて心中うれしく思った。そこで恨みを除く歌を作って、神に祈って効験のあったことを示す。守大伴宿祢家持」
※山田史君麻呂(やまだのきみまろ、生没年不詳)
 奈良時代の鷹師(たかし)です。大伴家持(おおともの-やかもち)につかえました。「万葉集」巻17の家持の歌と注によれば、天平19(747)主人の自慢の鷹をにがしてしまい、家持をくやしがらせたといいます。

ウェブニュースより
 首都圏に積雪の可能性、春はまだ先? ―― ■天気のなぞ 東海や近畿、北海道に大雪をもたらした「立春寒波」が一段落し、天気図のパターンに変化が出てきた。南岸沿いを低気圧が通り、太平洋側で天気が崩れやすくなる。1011日は関東の平野部でも雪になる可能性があるが、どこでどの程度の雪が降るかは計算モデルによってばらつきがある。上空の寒気、低気圧の発達具合や位置など条件のわずかな違いで結果が大きく異なり、予報官泣かせの天気となる。

 日米欧の数値モデルによる計算結果をみると、この先1011日と1314日ごろに南岸低気圧が通る予想だ。特に10日の低気圧は進路や発達の程度、寒気の状態から、首都圏を含む太平洋側で雪が降る公算が大きい。東京では2、3センチの積雪でも転倒する人が出始め、5センチも積もれば交通障害が起きる。10センチなら鉄道のダイヤが乱れることもある。雪に不慣れなだけに、注意が必要だ。

 
雪が降るには、まず低気圧の雲が広がってこなければならない。南岸低気圧が南海上を離れて通ると、曇るだけで終わる。逆に陸地すれすれだと、降水量は多くても、低気圧が持ち込む暖気の影響で雨になる。陸地からほどよい距離のコースを通る必要があり、経験的には八丈島付近を北東進すると雪になりやすいとされる。今回はそうしたコースを通りそうだ。加えて、1月6日のように関東沖に風が集まる収束帯ができ、局地的な低気圧が発生して雲が発達する可能性がある。
 南岸低気圧のコースが多少陸地寄りでも、上空の寒気が強ければ雪になる。寒気の目安として、上空約1500メートルの気温が参考になる。氷点下3度を上回るとほぼ雨だが、これ以下だと雪の可能性があり、同6度程度まで下がると大雪の恐れが強まる。関東南部の場合、ちょうどこの間に入る場合がほとんどだ。今回は、氷点下3度を少し下回るかどうか、という気温が予想されている。
 局地的な気温や湿度の分布も重要だ。早めに内陸部で降水が始まると、雪が水蒸気に昇華したり雨が蒸発したりする過程で周りから熱を奪って空気を冷やし、冷気がたまる現象が知られる。この冷気が平野部に向けて流れ出すと、気温が下がる。低気圧が近づけば湿度は上がるが、ある程度気温が下がっていれば雪が降り続く。
 低気圧が適度に発達し、北から冷たい空気を十分に引き込めば雪の確率が高まる。低気圧の接近とともに東寄りの風が強まると、比較的暖かい海面の影響を受けて気温が高めになり、途中で雨に変わることがある。北~北北西の風だと、気温が低く保たれて雪として降り続けることが多い。

 気温が1度を下回り、0度に近づくと積雪のペースは速まる。氷点下まで下がると乾いた雪となり、平野部でも1時間に3センチ程度積もるケースがある。今回は気圧の谷が東日本に残り、降水期間が長引くと予想されている。その間、ずっと雪として降り続ければ、積雪が10センチを超えてもおかしくない。

 コンピューターで局地的な現象まで精度よく予測するのは難しく、最後は予報官の判断に負うところが大きい。雨か、みぞれか、雪か。雪になった場合は注意報・警報級の量になるのか。予報は状況に応じて刻々と変わるので、常に最新の情報を入手する必要がある。2月の雪は降ったあとに気温が上がり、春めくこともあるが、今回はそうはならず低温が続く見通しだ。積雪した場合はしばらくの間、路面凍結の恐れがある。13日ごろに雨や雪を降らせると予想される次の低気圧からも目が離せない。    【日本經濟新聞 202229 2:00


 

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