瘋癲爺 拙痴无の戯言・放言・歯軋り
[3029] [3028] [3027] [3026] [3025] [3024] [3023] [3022] [3021] [3020] [3019]

菖蒲(あやめぐさ)を詠んだ歌2
巻8-1490: 霍公鳥待てど来鳴かず菖蒲草玉に貫く日をいまだ遠みか
 
10-1955: 霍公鳥いとふ時なしあやめぐさかづらにせむ日こゆ鳴き渡れ
 
◎あやめぐさは、水辺に自生するさといも科の多年草(あやめ科のハナショウブとは別)です。根茎、葉など全体から独特の匂いを発し、 これが邪気を払い疫病を除くといわれて、端午の節句に使用されました。「あやめぐさを 縵にする日」は、五月五日。 『続日本紀』には、元正天皇が、「五月五日に宮廷に出仕する際、官人が菖蒲を縵にしてくるよう」にと詔したことが伝えられています。
 この歌は、巻18にも再録されている(4035)。左大臣橘諸兄の使者、田辺史福麻呂を、大伴家持が越中の館で饗応した時に、 福麻呂が自作の歌と共に、古詠として誦詠しました。
18-4035: 霍公鳥いとふ時なしあやめぐさかづらにせむ日こゆ鳴き渡れ
 
※田邊福麻呂(たなべ の さきまろ、生没年不詳)
 奈良時代の万葉歌人。姓は史(ふひと)。田辺氏(田辺史)は百済系渡来氏族で、西文氏のもとで文筆・記録の職掌についた史部の一族と想定されます。748年(天平20年)橘諸兄の使者として越中守・大伴家持のもとを訪れています。福麻呂の和歌作品は『万葉集』に44首が収められています。巻18に短歌13首があり、巻6・巻9にある長歌10首とその反歌21首は「田辺福麻呂の歌集に出づ」とあります。それらの歌は用字・作風などから福麻呂の作と見られています。

この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
URL
コメント
パスワード Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
プロフィール
ハンドルネーム:
目高 拙痴无
年齢:
92
誕生日:
1932/02/04
自己紹介:
くたばりかけの糞爺々です。よろしく。メールも頼むね。
 sechin@nethome.ne.jp です。


小冊子の紹介
カレンダー
08 2024/09 10
S M T W T F S
1 2 3 4 6
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30
最新コメント
[あは♡ 09/20]
[Mr.サタン 09/20]
[Mr.サタン 09/20]
[ままだいちゅき 09/20]
[ままだいちゅき 09/20]
[ままだいちゅき 09/20]
[爺 09/20]
[ままだいちゅき 09/20]
[豚 09/20]
[Mr. 09/20]
最新トラックバック
ブログ内検索
カウンター
Powered by ニンジャブログ  Designed by ゆきぱんだ
Copyright © 瘋癲爺 拙痴无の戯言・放言・歯軋り All Rights Reserved
/