瘋癲爺 拙痴无の戯言・放言・歯軋り
Hēraklēs(ヘーラクレース)の第6の難行はStymphalides(ステュンパーリデス)の森にいる鳥を追い払うことでした。ステュムパーリデスの鳥は、Pelopónnisos(ペロポネーソス)半島のStymphālos(ステュムパーロス)湖畔の鬱蒼たる森に棲んでいたとされます。嘴・爪や翼の先が青銅で出来ており、集団で生活していました。人間を襲ったり、田畑に毒性の排泄物を撒き散らしたりしていました。この鳥達はかつては軍神Arēs(アレース)のペットであったといいます。
Hēraklēs(ヘーラクレース)はこの恐るべき怪鳥どもを驚かせて飛び立たせるため、Athēnā(アテーナー)に頼んで、Hēphaistos(ヘーパイストス)からとてつもなく大きな音を立てるガラガラ(彼の工房のKýklōps〈キュクロープス、卓越した鍛冶技術を持つ単眼の巨人であり、下級神である1族〉達の目覚まし用の青銅製の鳴子)を借り受け、音に驚いた鳥が飛び立ったところをHydrā(ヒュドラー)の毒矢で射落としたとも、矢が効かないので彼に襲い掛かってくるところを1羽ずつ捕らえて絞め殺したともいいます。
一説によれば、ヘーラクレースが退治したステュムパーロス湖の怪鳥はStymphālos(ステュムパーロス、アルカディアの同名の町ステュムパーロスを建設し、王となって支配した)がOrnith(オルニス)との間にもうけた娘たちで、彼女たちはヘーラクレースを拒んでMolione(モリオネ、ギリシア神話の人物で、エーリス地方の英雄)を歓迎したため、ヘーラクレースに殺されたといいます。
※ Albrecht Dürer(アルブレヒト・デューラー、1471~1528年):ドイツのルネサンス期の画家、版画家、数学者。
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